哀しみキメラ

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哀しみキメラ
ジャンル ミステリ[1]
小説
著者 来楽零
イラスト 柳原澪
出版社 メディアワークス
レーベル 電撃文庫
刊行期間 2006年2月10日 - 2007年6月10日
巻数 全4巻
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル
ポータル 文学

哀しみキメラ』(かなしみキメラ)は、来楽零による日本ライトノベル。イラストは柳原澪が担当。電撃文庫メディアワークス)より2006年2月から2007年6月まで刊行された。第12回電撃小説大賞金賞受賞作[2]

ストーリー[編集]

高校生・矢代純は十文字誠、水藤深矢、早瀬綾佳とともにエレベーター内で<モノ>に襲われ、4人は<モノ>と融合してしまう。(1巻)

純たちが原因で<モノ>に憑かれた少女、森山真里は伯父を呪い殺してしまう。純は彼女を保護したが、その日に水藤は何者かの襲撃を受ける。(2巻)

深矢が精神的に不安定になり、また純の体にも異常が起こる。そんな中「願いがあるならば、階段を上れ」というお告げが小学生の間で広まり、実際に階段を上り願いごとをした子供が行方不明になってしまう。(3巻)

登場人物[編集]

キメラ[編集]

矢代 純(やしろじゅん)
とある事故が切っ掛けでキメラになった。
十文字 誠(じゅうもんじまこと)
とある事故が切っ掛けでキメラになった。
水藤 深矢(みとうしんや)
とある事故が切っ掛けでキメラになった。
早瀬 綾佳(はやせあやか)
とある事故が切っ掛けでキメラになった。

モノ祓い師[編集]

七倉 和巳(ななくらかずみ)
4人がキメラになった原因をつっくた人物。
七倉 文尋(ななくらふみひろ)
七倉 和巳の甥。
仙谷 由紀夫(せんたにゆきお)
光陵会の幹部。
涼子(りょうこ)

その他[編集]

伏見 紗也(ふしみさや)
森山 真里(もりやままさと)
戸塚 結(とつかゆい)
守(まもる)
千穂(ちほ)
麻生 穂高(あそうほだか)
紺野 勇輝(こんのゆうき)
久保田 まなみ(くぼたまなみ)
沢村 圭吾(さわむらけいご)
木田 洋介(きだようすけ)
通り魔強盗
吉永 絵梨香(よしながえりか)

用語解説[編集]

<モノ>
いわゆる妖怪や幽霊の類。霊的<モノ>と半物質的<モノ>に分けられる。
霊的<モノ>
いわゆる幽霊。基本的に肉体と魂は不可分のものであるため、肉体が滅んだ後も残っている幽霊は、生前と比べてほとんど魂の量がない。特に食事は必要がない。
半物質的<モノ>
いわゆる鬼や妖怪。霊的<モノ>と違い、人間や他の<モノ>の魂を摂取なければならない。物質度が半物質的<モノ>の強さの目安として用いられており、これが低い<モノ>は人間に一時的に取り憑いてその魂の一部を喰らい、少し物質度が高くなると取り憑かれた人間が死ぬまで魂を喰う。さらに物質度が高くなると、人間を肉体ごと喰らい、その人間の肉体は土となる。
キメラ
人と半物資的<モノ>が融合してできた存在。矢代純、十文字誠、水藤深矢、早瀬綾佳の四人しか確認されていない。基本的に人間としての意思を保っているが、半物質的<モノ>と同様に魂を摂取しなければならない。
モノ祓い師
<モノ>を祓うことを生業にする人間。人によって能力に強弱があり、半物質的<モノ>を確実に祓うことができる人間はモノ祓い師の中でも少数。また、モノ祓いの能力はある程度遺伝する。
光陵会(こうりょうかい)
仙谷由紀夫が幹部を務める宗教団体。彼のほかにも何人かモノ祓いの力を持つ人間が幹部となっている。信者に霊的<モノ>を憑かせて、神秘体験をさせるなどの行為をしており、モノ祓い師の間でも有名になっている。

既刊一覧[編集]

  • 来楽零(著) / 柳原澪(イラスト) 『哀しみキメラ』 メディアワークス〈電撃文庫〉、全4巻
    1. 2006年2月10日発売、ISBN 4-8402-3301-2
    2. 2006年7月10日発売、ISBN 4-8402-3484-1
    3. 2006年12月10日発売、ISBN 4-8402-3640-2
    4. 2007年6月10日発売、ISBN 978-4-8402-3885-4

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『このライトノベルがすごい!2008』宝島社、2007年12月6日、143頁。ISBN 978-4-7966-6140-9 
  2. ^ 『このライトノベルがすごい!2007』宝島社、2006年12月6日第1刷発行、88頁、ISBN 4-7966-5559-X
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