再発性多発軟骨炎
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再発性多発軟骨炎(さいはつせい・たはつなんこつえん、再発性多発性軟骨炎とも、英 relapsing polychondritis: RP)は、原因不明の軟骨の破壊・腫脹を来たす慢性疾患である。膠原病類縁疾患、自己免疫疾患のひとつで、全身の軟骨に炎症をきたし、その名のとおり寛解と再発を繰り返す。1923年 Jaksc-Wartenhorstが症例報告し、1960年 Pearsonらが現在の病名で自験例をNew England Journal of Medicineに報告した。[1]
日本での正確な統計はないが、アメリカ・ミネソタ州ロチェスターでは年間100万人当たり3.5人が発症するという。初発症状は耳介の痛みやはり感であることが多いが、症状や病変部位は患者によって多彩である。そのほか関節、気管軟骨、目、鼻、皮膚などに傷害が発症する。有用な検査はあまりなく、診断は臨床的になされるが、病変部位の病理学的所見は有用である。治療にはステロイドや免疫抑制剤を用いる。[2]寛解と再発を繰り返すものの、心病変がなければ、死亡の原因とはあまりならない。
脚注
- ^ Pearson CM, et al: Relapsing polychondritis. N Engl J Med 263: 51-58, 1960.
- ^ 日内会誌 99: 2467-2471, 2010.