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トリポッド・シリーズ

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三本足シリーズ (The Tripods) は、1967年から1968年にかけて、英国ジョン・クリストファーによって書かれたジュブナイル向けのSF小説

"The White Mountains" (1967) 、"The City of Gold and Lead" (1967) 、"The Pool of Fire" (1968) の三部作だったが、後にその前日譚、"When the Tripods Came" (1988) が発表され、現在は四部作となっている。日本では1978年から1979年にかけて、学習研究社より亀山龍樹の翻訳で、"The White Mountains"が『鋼鉄の巨人』、"The City of Gold and Lead"が『銀河系の征服者』、"The Pool of Fire"が『もえる黄金都市』の邦題で「三本足シリーズ」として出版された(2008年現在は絶版)。

その後、ディズニーによる映画化の企画に伴い、日本でも2004年よりハヤカワ文庫から中原尚哉訳で、前日譚を加えた四部作が「トリポッド1 襲来(When the Tripods Came)」「トリポッド2 脱出」「トリポッド3 潜入」「トリポッド4 凱歌」の邦題で出版された。

1984年にはBBCによりテレビドラマ化されている。 全3シーズン39話の予定であったが、実際に製作されたのは2シーズン26話までで、 未完となっている。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


ストーリー(【】内は学研版の表記)

When the Tripods Came(学研版 【未訳】 ハヤカワ版 【トリポッド1 襲来】)

サマーキャンプをしていたローリーとアンディの前に、突如三本足の巨大機械が襲撃してきた。その時は戦闘機によりあっさり破壊されてしまったが、トリポッド【三本足】を操る異星人たちはテレビやキャップ【頭の輪】を使った洗脳作戦で地球人をみるみるうちに服従させて行く。ローリーは家族やアンディと共にキャップ人からの逃避行を続け、スイスの山岳地帯へとたどり着き、そこで後に「白い山脈」と呼ばれるトリポッドへの抵抗勢力を作り上げて行く。

The White Mountains(学研版 【鋼鉄の巨人】 ハヤカワ版 【トリポッド2 脱出】)

100年ほど後、既に地球のほとんどはトリポッドに支配され、文明も中世レベルにまで後退していた。人々はある年齢まで来るとキャップを被せられ、トリポッドの支配も疑う事なく受け入れていた。イギリスのウィンチェスターに住むウィル・パーカーは、まだ戴帽式(キャップを被せられる行事)が済んでいないためそんな状況に疑問を抱いていたが、キャップによる洗脳がうまくいかず、精神に異常をきたした、「はぐれ者【さまよいさん】」のふりをして抵抗勢力に参加する意思のある若者をさがしていた男、オジマンディアスとの出会いをきっかけに、従兄弟のヘンリー、途中で出会ったフランス人少年ジャン・ポール(通称ビーンポール)と共に、トリポッドへの抵抗勢力の集まる「白い山脈」へ旅立つ。

The City of Gold and Lead(学研版 【銀河系の征服者】 ハヤカワ版 【トリポッド3 潜入】)

「白い山脈」に参加したウィル達だったが、メンバーの誰一人トリポッドの詳細は分からない。トリポッド自体が意思を持つ存在なのか、それとも別の生命体が操縦している機械にすぎないのかも全く分からない。その為、奴隷としてトリポッドの都市に送り込まれるキャップ人達と共に、数人のメンバーが奴隷になりすまして都市に潜入するという作戦が立てられた。そしてウィルは、ドイツ人少年フリッツと共に、トリポッドの「黄金と鉛の都市」への潜入に成功、トリポッドが只の機械にすぎず、「主人【マスター】」を自称する三本の足、三本の触手を持つ異星人によって操縦されている事をはじめ、彼らについての様々な情報を探り出す。

The Pool of Fire(学研版 【もえる黄金都市】 ハヤカワ版 【トリポッド4 凱歌】)

ウィル達は無事に都市からの脱出に成功した。持ち帰ったデータや、新たにトリポッドを破壊し、捕獲した「主人」の一人「ルキ」の生態調査から得られる情報、更に古代人達の残した技術の復活、世界中を回って、新たに仲間として迎え入れた少年達、そして「白い山脈」とは別の、他の抵抗組織との提携等、「主人」達への反攻計画は着々と進んでいた。 やがて「白い山脈」メンバーは遂に、世界に三つある都市へ侵入し、同時に行動を起こして都市機能を完全に麻痺させる作戦を実行に移した。ウィルはフリッツと共に再び都市へ潜入、作戦により、一時的に意識を失い、行動不能となった「主人」達を尻目に、都市の中枢部である「炎の池」にたどり着き、仲間の犠牲と引き換えに都市の破壊に成功、三つの都市のうち、二つが破壊された。 だが、「主人」達は、残った最後の都市の周辺を焦土と化し、人間達の侵入を阻止して、近いうちにやってくる母星からの援軍を待つ構えを取った。援軍が到着すれば地球は「主人」達の母星と同じ大気構造に換えられ、「主人」以外の生物はほぼ死に絶える事になる。 そうなる前に何としても最後の都市を破壊しなければならない。いよいよ最終決戦の時が近づいてきた・・・

トリポッド【三本足】

「主人」達が操る巨大機械。その名の通り三本の足と、伸縮自在の触手を持つ。『襲来』では触手で戦車を持ち上げ、締め潰してしまった事からかなりの攻撃力は備えていると思われるが、移動の不安定さ、現代兵器(『襲来』での描写からおそらく1980年代レベル)でも容易に破壊できる事から、総合的な戦闘力は決して高いとは言えない。 おそらく戦闘用ではなく、移動、調査、作業を主な目的として開発されたと思われる 全高は20m以上、ドーム状のコクピットの下に三本の足が付いている。暗闇で足元の物体を調べるのにサーチライトを使った事から、ワイルド・ビルは赤外線暗視装置すら付いていないと見ていた。 「主人」達は、基本的に地球人の前に姿を現さないため、襲来から100年以上経った頃には、地球人はトリポッド自体を地球の支配者だと思い込んでしまっている。 都市内では、更に小型のトリポッドも確認されており、こちらは主に「光球追い」と呼ばれる、バスケットボールに似たスポーツで使用されている。

関連項目