万年救護の大本尊
万年救護の大本尊(まんねんくごのだいほんぞん)は、『日蓮大聖人御真蹟御本尊集』(立正安国会)の16番本尊の通称。文永11年12月に図顕された大曼荼羅で、千葉県保田妙本寺に現存している。
一天四海皆帰妙法を達成するまでは公表すべきではないとされ、日郷門下により密かに恪護されてきた。しかし江戸期に版木が流出したため複製されてしまった。皮肉なことに、万年救護の大本尊は公開されていなかったため、それが複製であっても、手本のない物、つまり複製ではない新たに発見された真筆として出回ってしまった可能性がある。
同じ通称の大曼荼羅が北山本門寺、上条大石寺(大講堂安置の板本尊)、京都要法寺に存在する。
来歴
所持人物
恪護寺院
- 現在も、形木の本尊が身延山久遠寺御真骨堂に奉安されており、身延山山頂の思親閣休憩所にも安置されている。また大石寺にも模刻の板本尊が大講堂に安置されている。
特徴
- 天照八幡の二神が成仏している。
- 日蓮の上行自覚が示されている。
- 大曼荼羅ではなく大本尊となっている。
以上の特徴は他の真筆曼荼羅には見られない独特のものである。
別名
- 三国救護の御本尊
- 十界皆成の御本尊
- 閻浮総与の御本尊