ローレンツ方程式

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p = 10、r = 28、b = 8/3のときのローレンツ・アトラクター
ρ = 28、σ = 10、β = 8/3の時のローレンツ・アトラクターのサンプル解

ローレンツ方程式 (ローレンツほうていしき)は、カオス的ふるまいを示す非線型常微分方程式の一つである。次に式を示す。



x, y, zの3つの変数についての方程式で、システムのふるまいは、3つの定数p, r, bにより決まる。

大気変動モデルを研究していたマサチューセッツ工科大学気象学者エドワード・N・ローレンツが、論文「決定論的非周期な流れ( Deterministic Nonperiodic Flow)」(1963年)の中で提示した。図では、この論文でローレンツが与えたp = 10、r = 28、b = 8/3という設定でのx, y, zの軌跡が示されている。決定論的な連立常微分方程式が初期値鋭敏性を持つことは驚きをもって迎えられ、カオス研究の端緒となった。

参考文献

  • Lorenz, E. N.: Deterministic Nonperiodic Flow, Journal of Atmospheric Sciences, Vol.20, pp.130-141, 1963. link
  • Tucker, W. (1999). The Lorenz attractor exists. Comptes Rendus de l'Académie des Sciences-Series I-Mathematics, 328(12), 1197-1202.
  • Stewart, I. (2000). Mathematics: the Lorenz attractor exists. Nature, 406(6799), 948.
  • Viana, M. (2000). What’s new on Lorenz strange attractors?. The Mathematical Intelligencer, 22(3), 6-19.

関連項目

外部リンク