ミッドナイト・ゴスペル

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The Midnight Gospel
ジャンル
原案
脚本
  • Pendleton Ward
  • Duncan Trussell
  • Mike L. Mayfield
監督 Pendleton Ward
声の出演
作曲 Joe Wong
国・地域 United States
言語 English
シーズン数 1
話数 8
各話の長さ 20-36 minutes
製作
製作総指揮
  • Pendleton Ward[2]
  • Duncan Trussell[2]
  • Antonio Canobbio
  • Ben Kalina
  • Chris Prynoski
プロデューサー
  • Shannon Prynoski
  • Tony Salama
編集 Megan Love
製作 Oatmeal Maiden
ティットマウス英語版[2]
放送
放送チャンネルNetflix
映像形式4K (Ultra HD)
High dynamic range
音声形式Dolby Digital Plus 5.1
放送期間2020年4月20日 (2020-04-20) - present
公式ウェブサイト
番組年表
関連番組Adventure Time
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ミッドナイト・ゴスペル』(原題:The Midnight Gospel)は、Netflixが2020年4月20日に配信したテレビアニメ番組で、Netflixオリジナルシリーズである。

本作は『アドベンチャー・タイム』の原作者であるペンデルトン・ウォードとコメディアンのダンカン・トラセルが共同で制作した成人向け作品であり、ウォードにとっては初めてのNetflix向け作品である。 本作は、ウォードがダンカンのポッドキャストインタビュー集『Duncan Trussell Family Hour』の映像化を考えたことがきっかけで制作されており、キャラクターの会話には実際のポッドキャストの音声が使われている[1][3]。 物語の内容はトラセル演じるスペースキャスター(宇宙ポッドキャスター)のクランシーが、シミュレータを通じて様々な理由で滅亡の危機に瀕した並行世界へ赴き、その先でインタビューするというものである[1][3]。 本作の特徴として、グロテスクでサイケデリックな映像が展開されながらも、映像の内容がキャラクターの会話の内容との関連があいまいである点が挙げられる[4]。たとえば、第1話「王の味」では、クランシーがゾンビのはびこる世界に赴き、薬物依存について話し合うという内容であり[5]、薬物依存の専門家であるドリュー・ピンスキー英語版へのインタビュー回がもとになっている[3]。 これは、ウォードが「終末的な状況に置かれても、人間は終末や人間関係について話すとは限らない」と考えたことに由来する[6]

あらすじ

第1話「王の味」
クランシーは、筋肉な身体(ビーチ・ボディ)のアバターで、ゾンビが蔓延する世界を訪れる[3]。彼は「眼鏡の男」ことその世界の大統領と薬物依存について話し合う[3][5]
第2話「士官とオオカミ」
クランシーは、ある世界で鹿とイヌを合わせたような生き物(以下:鹿イヌ)にインタビューをする[3]。2人は工場に運ばれてひき肉にされてもインタビューを続ける[3]
第3話「家を持たない狩人」
クランシーは地表が水没した世界に赴き、頭が水槽になっている人物と会い、魔術や禅などについてインタビューを行う[3]
第4話「自らの終わりに惑わされ」
手違いで中世のような世界に来てしまった彼は、恋人を取り戻しに行く女戦士・トゥルーディにインタビューをする[3]
第5話「 喜びのせん滅」
クランシーは刑務所を訪れる。
第6話「誇り高きハゲタカ」
ある日、クランシーのシミュレータが故障する。
第7話「月食のカメたち」
クランシーはふとしたことで、デス(死)と出会う。
第8話「銀のねずみ」
クランシーは、母親と二人で人間の一生について話す[7]。会話の中でクランシーは子どもから青年、そして老人に変化し、さらには妊娠を経験する[7]

キャストとキャラクター

メイン

繰り返し

ゲストスター

エピソード

製作

コンセプトと作成

執筆と制作

テーマ

本作は、トラセルのポッドキャスト全300本のうち、オカルトやスピリチュアル、心の問題や死といった、精神にまつわる事柄を題材とした8本をもとにしている[5]。 また、最終回は、トラセルの母親とのインタビューをもとにしており、彼女はインタビューの3週間後に死亡している[5]

マーケティング

リリース

レセプション

クリティカルレスポンス

シーズン クリティカルレスポンス
Rotten Tomatoes メタクリティック
1 92%(26レビュー) 82(8レビュー)

ミニシアター「アミューあつぎ映画.comシネマ」の元支配人である杉本穂高は、リアルサウンドに寄せた記事の中で、「 ビジュアルの変容とともに多義的な解釈も存分に可能な作品で、いかなる意味にも固定されないという点で、エイゼンシュタインが語った本来的な意味における原形質性[注釈 2]を持った作品と言えるだろう。」と述べ、「[前略]壮大な宇宙と生命の神秘の一部に我々自身も含まれるのだという変性意識を叩き込む驚異的な作品だ。」とも話している[7] 映画批評家の宮台真司はミュージシャンダースレイダーとの対話の中で、本作の最終回の内容はシリーズの終わりにふさわしいと評価しており、第2シーズンがあったら不自然になるだろうと述べている[4]。宮台はインタビューの内容が映像と必ずしもかみ合っているとは限らない点が天才的だと評価し、1960年代のサイケデリックにおける「パラレルな体験」が前面に出ていると指摘している[4]


脚注

注釈

  1. ^ 一部の批評家はアニメーション・ドキュメンタリー英語版に当てはまると指摘している[1]
  2. ^ エイゼンシュタインが提示した「あらゆる姿かたちにも大胆に変化できる能力」という概念で、様々な形状を表現できるアニメーションの特殊性を示すことが多い[5]

出典

  1. ^ a b c 『ミッドナイト・ゴスペル』なぜ話題に? 新感覚アニメーションが可能にした、壮大なテーマの表現”. Real Sound|リアルサウンド 映画部 (2020年5月26日). 2021年5月20日閲覧。
  2. ^ a b c d 「アドベンチャー・タイム」制作者によるNetflixアニメ、宇宙に番組配信する男描く(写真14枚)”. 映画ナタリー. ナターシャ (2020年4月9日). 2021年5月20日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i 藤津亮太 (2020年6月15日). “「ミッドナイト・ゴスペル」はなぜ“見る幻覚剤”と呼ばれるのか? そしてその言葉から脱した最終回【藤津亮太のアニメの門V 第59回】”. アニメ!アニメ!. 2021年5月20日閲覧。
  4. ^ a b c 宮台真司 (2020年9月13日). “<特別編・前編>宮台真司の『ミッドナイト・ゴスペル』評:サラダボウルの中にいた「見たいものしか見ない」主人公が「倫理」に気づく(3ページ目)”. Real Sound|リアルサウンド 映画部. 2021年5月20日閲覧。
  5. ^ a b c d e 『ミッドナイト・ゴスペル』なぜ話題に? 新感覚アニメーションが可能にした、壮大なテーマの表現(2ページ目)”. Real Sound|リアルサウンド 映画部 (2020年5月26日). 2021年5月20日閲覧。
  6. ^ Zahed, Ramin (2020年4月16日). “Light at the End of the Apocalypse: Pen Ward & Duncan Trussell Preach 'The Midnight Gospel'” (英語). Animation Magazine. 2021年5月20日閲覧。
  7. ^ a b c 『ミッドナイト・ゴスペル』なぜ話題に? 新感覚アニメーションが可能にした、壮大なテーマの表現(3ページ目)”. Real Sound|リアルサウンド 映画部 (2020年5月26日). 2021年5月20日閲覧。

外部リンク