コンテンツにスキップ

ヘキサニトロコバルト(III)酸ナトリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Rezabot (会話 | 投稿記録) による 2012年3月20日 (火) 05:48個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (r2.7.1) (ロボットによる 追加: fa:کوبالتینیتریت سدیم)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ヘキサニトロコバルト(III)酸ナトリウム
識別情報
CAS登録番号 13600-98-1
PubChem 16211641
ChemSpider 13198283 チェック
特性
化学式 CoN6Na3O12
モル質量 403.94 g mol−1
危険性
安全データシート(外部リンク) JT Baker MSDS
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ヘキサニトロコバルト(III)酸ナトリウムとは、化学式 Na3Co(NO2)6で表されるニトロ錯体である。黄色の塩であり、そのアニオンコバルト(III)の金属中心に6つの亜硝酸イオンが配位した形をしている。

用途

他の特定の陽イオンが存在していない条件において、カリウムアンモニウムイオンの定性分析に用いられる[1]。これは、ヘキサニトロコバルト(III)酸ナトリウムが水溶性なのに対して、ヘキサニトロコバルト(III)酸のカリウム塩やアンモニウム塩は不溶性の沈殿を生成する性質を利用したものであり、これらの塩は黄色固体として沈殿する。

ヘキサニトロコバルト(III)酸ナトリウムはまた、カリウムの定量分析の基礎的な手法にも用いられる。しかしながら、推奨される反応条件下においても、不溶性の複塩K2Na[Co(NO2)6]・H2Oが析出して定量値に含まれてしまう[2]。また、タリウム(I)に対しても Tl3[Co(NO2)6]という形で沈殿が生成されるため、定量分析に用いることができる[2]

出典

  1. ^ G. Svelha, Vogels textbook of macro and semimicro qualitative inorganic analysis, (5th edition), Longman Group,ISBN 0583443679
  2. ^ a b A.I. Vogel,(1951), Quantitative Inorganic analysis, (2d edition), Longmans Green and Co