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ハンモック

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ガーデンハンモック
布によるハンモック

ハンモック: hammock 日: 釣床)は、元は南米熱帯地方で先住民が使っていた寝具。丈夫なまたはの両端を纏めて壁や柱、野外では立木の間などに吊して、その上で寝たりくつろいだりする。

両端付近に木の棒を入れて広げて使うとハンモックが丸く身体をくるむようにならず、使い心地がいい。また身体をハンモックの向きに対して斜めにすると比較的背中が曲がらないので寝心地がいい。

第二次世界大戦頃までは軍艦の乗組員の寝床としてよく使われ、艦船用の榴弾が発達した19世紀-20世紀前半には戦闘時に砲弾の破片を吸収させる防御具(これをマントレットという)として固く巻いて縛ったハンモックを指揮所などの露天配置の周囲に縛り付けることが行われた。

ハンモックが船舶内での寝床として便利だった理由はハンモックは船の左右の運動と同調して動くので、寝ている間に床に落ちる危険がないためである。 特に帆船が主流だった時代には、帆船は風向きによっては船体が斜めに傾いたまま進むため、常に船内の床が左右のどちらかに傾いている時間が非常に多かった。このため、寝床の水平を保つために必要だった。 しかし、近代的な蒸気走行の船が登場すると、船体は常に水平を保つようになり、ハンモックを使うメリットが減少してきた。そのため、戦艦大和や武蔵などでは最初から3段ベッドを装備するようになり、第二次世界大戦以降の船には装備されなくなった。

なお、保護帽における衝撃緩和のための部品もハンモックとよばれる。

関連項目