ダンジョンアドベンチャー
ダンジョンアドベンチャー(英: dungeon adventure)とはテーブルトークRPG(TRPG)の用語の一つ。「ダンジョン」の探索を行うシナリオのことを示す。
概要
[編集]ダンジョンの項でも解説されているように、TRPGにおけるダンジョンとは「地下迷宮」だけに限らず、怪物の巣穴や軍事施設など「危険が存在する閉鎖空間」全般を表していることが多い。
ダンジョン探索はTRPGでは比較的スタンダードな要素なため、シティアドベンチャーやウィルダネスアドベンチャーにおいても小さめのダンジョン探索が行われることもある。「ダンジョンアドベンチャー」とあえて言う場合は、ゲームのプレイ時間の大半をダンジョン探索が占めるようなシナリオのことを表す。ダンジョンに入る前や出た後の展開も省略されることもあり、「君たちはダンジョンの目の前にいる」という場面から始まるシナリオもある。
ダンジョンアドベンチャーの基本は、ダンジョンの中に配置された怪物や罠などの障害を突破していくことである。ダンジョンアドベンチャーのシナリオではドラマ要素などは排除されることも多い。ただし、プレイヤーキャラクターがそのダンジョンを探索することになった理由ぐらいは設定する必要があるだろう(何の理由も目的もなくただダンジョンを突き進むようなシナリオも存在はするが主流ではない)。
シナリオのタイプ
[編集]1990年代のテーブルトークRPGのシナリオ作成においては、キャンペーンプレイで同じような展開のシナリオが連続して飽きが来ないように、 ダンジョンアドベンチャー、ウィルダネスアドベンチャー、シティアドベンチャーを順番に回していけばよいと書く入門書があった。
バラエティというのは、少なくともシナリオが連続していくわけだから、毎回同じようなものではプレイヤーが飽きてしまうということだ。 最低、二回続くときには、別タイプのシナリオを用意しよう。 ダンジョンがあって、モンスターと宝が眠っているというのばかりでは、ゲームマスターは楽だけど、プレイヤーは飽きてくるからね。 RPGでは、ダンジョン(地下や建物での冒険)、フィールド(山や森、砂漠などでの冒険)、シティ(町中での陰謀もの)といった冒険タイプが代表例だから、これらをぐるぐる回していけばいい。 安田均/村川忍『テーブルトークRPGがよくわかる本』角川スニーカー・G文庫、1993年、213頁「いよいよ中級ゲームマスターへ」より引用 ISBN 4-04-480201-7
毎回ちがうタイプのシナリオを思いつくのは大変、と考える初心者ゲームマスターの人もいるかもしれませんが、少なくともファンタジーRPGでは、 野外(フィールド)、街(シティ)、地下迷宮(ダンジョン)を順番に回していけば大丈夫、というコツをここで伝授しておきましょう。 安田均/グループSNE『実践! RPGゲームマスター道』富士見ドラゴンブック、1993年、251頁「まとめ」より引用 ISBN 4-8291-4273-1
そのため、シナリオでも「どのタイプなのか」を意識的に言及しているものもよく見られた [1] 。
関連項目
[編集]注釈
[編集]- ^ 「ダンジョン・シナリオにする:やっぱりファンタジーRPGの基本ですからね。セッション1が野外での冒険(フィールド・アドベンチャー)だったので変化をつけたいし」 安田均/グループSNE『実践! RPGゲームマスター道』富士見ドラゴンブック、1998年、50頁「セッション2 英雄の武具」より引用 ISBN 4-8291-4273-1