シャチブリ目

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シャチブリ目
オオシャチブリ属の1種 Ijimaia plicatellus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : シャチブリ上目 Ateleopodomorpha
: シャチブリ目 Ateleopodiformes
: シャチブリ科 Ateleopodidae
下位分類
本文参照

シャチブリ目学名Ateleopodiformes)は、硬骨魚類の分類群の一つ。シャチブリ科1科のみで構成され、およそ4属12種を含む[1]。所属する魚類の多くは深海魚である。

分布・生態

シャチブリ目の魚類はすべて海水魚で、そのほとんどは深海海底付近に生息する底生魚である。太平洋大西洋インド洋など世界各地に分布し、日本近海からは少なくともシャチブリ、オオシャチブリ、タナベシャチブリなどの5種が知られる[2]

顔の下側に付いている口で小さな甲殻類などを食べる。遊泳力はそれほど強くなく、体は柔らかく、肉は脂っぽくて締まりが無く、食用には適さない。

形態

シャチブリ目の魚類はタラギンザメの仲間に似た、尻すぼみの細長い体型をもつ。体は全体的に軟らかく、特に(口先)はゼラチン質でぶよぶよしており、英語名「Jellynose fish」の由来となっている[1]

に棘条をもたない。背鰭の基底は短く、軟条は3-13本[1]。成魚の腹鰭は1本の糸状の鰭条のみからなり、喉の位置から細く伸びている[1]。尾鰭は退化的で、Guentherus 属以外は長い臀鰭と連続している[1]骨格の大半は軟骨で構成される[1]

分類

シャチブリAteleopus japonicus)。日本の太平洋岸から東シナ海にかけて分布する[3]
Guentherus altivela の液浸標本

シャチブリ目はシャチブリ上目に所属する唯一のである[1]。シャチブリ科はかつてアカマンボウ目に含められ、2000年代に行われた分子生物学的解析においても、これら2目およびハダカイワシ目が近い関係にあることが示唆されている[1]

シャチブリ科

シャチブリ科 Ateleopodidae には、Nelson(2006)の体系において4属12種が認められている[1]。本稿では、FishBase[4]に記載される4属13種についてリストする。

  • オオシャチブリ属 Ijimaia
    • オオシャチブリ Ijimaia dofleini Sauter, 1905
    • ヤソシャチブリ Ijimaia loppei Roule, 1922
    • Ijimaia antillarum Howell Rivero, 1935
    • Ijimaia fowleri Howell Rivero, 1935
    • Ijimaia plicatellus Gilbert, 1905
  • シャチブリ属 Ateleopus
    • シャチブリ Ateleopus japonicus Bleeker, 1854
    • タナベシャチブリ Ateleopus tanabensis Tanaka, 1918
    • ムラサキシャチブリ Ateleopus purpureus Tanaka, 1915
    • Ateleopus indicus Alcock, 1891
    • Ateleopus natalensis Regan, 1921
  • Guentherus
    • ヒョウモンシャチブリ[5] Guentherus katoi Kuwayama & Hirate, 2008
    • Guentherus altivela Osório, 1917
  • Parateleopus
    • Parateleopus microstomus Smith & Radcliffe, 1912

出典・脚注

  1. ^ a b c d e f g h i 『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.212-213
  2. ^ 『新版 魚の分類の図鑑』 pp.70-71
  3. ^ 『日本の海水魚』 p.109
  4. ^ Ateleopodidae”. FishBase. 2010年8月1日閲覧。
  5. ^ 日本産魚類の追加種リスト”. 日本魚類学会. 2010年8月1日閲覧。

参考文献

外部リンク