イドゥンバン

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イドゥンバン (Idumban)とはアスラ神族の名である[1]

解説

スールパドゥマの弟にあたる[2]。聖仙アガスティヤヒマラヤ山脈にある2つの丘を授かったためイドゥンバンに命じ運ばせることとした。イドゥンバンは天秤棒を使って丘を運んだ。イドゥンバンはその途中のタミル州パラニという場所で一休みをした。再び天秤棒を持ち上げようとすると全く動かない。その姿を見て1人の少年が嗤っていた。その少年を懲らしめようとしたところ逆に一撃で殺されてしまう。この少年こそスカンダ(ムルガン)であった。イドゥンバンの死を嘆き悲しんだ妻のイドゥンバニーはムルガンに夫の蘇生を祈った。ムルガンはそれを聞き遂げて蘇生した。イドゥンバンは自分の愚かさを恥じてムルガンに奉仕することとなった。この説話からムルガン寺院には天秤棒を担ぎイドゥンバンになりきって祈るのである[3]

脚注

  1. ^ 田中雅一「神々の器-ヒンドゥー寺院 (PDF) 」河本良男(編)『スリランカ』河出書房新社<暮らしがわかるアジア読本>、1998年、pp.181 - 187(リンク先は京都大学学術情報リポジトリ)
  2. ^ 田中雅一「多民族社会における宗教 ―シンガポールのヒンドゥー教をめぐって」『人文學報』 第92号、2005年、p33、注34より
  3. ^ 田中雅一「多民族社会における宗教 ―シンガポールのヒンドゥー教をめぐって」『人文學報』 第92号、2005年、pp10-11.より

参考文献

  • 田中雅一「多民族社会における宗教 ―シンガポールのヒンドゥー教をめぐって」『人文學報』 第92号、2005年