アラキドン酸カスケード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Qnc (会話 | 投稿記録) による 2012年1月23日 (月) 20:00個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎関連項目)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

アラキドン酸を出発点とする物質の合成経路

アラキドン酸カスケード(-さん-)とは、細胞膜を構成するリン脂質由来のアラキドン酸を原料としてプロスタグランジン(Prostaglandin,PG)類やトロンボキサン(Thromboxane,TX)類などの脂質メディエーターを作る代謝経路である。


概要

リン脂質は細胞膜の主要な構成成分であり、その構造中には親水性基と2本の疎水性基を持つ。この疎水性基をリン脂質から切り出す酵素であるホスホリパーゼA2(PhospholipaseA2,PLA2)により細胞膜から遊離した脂肪酸(アラキドン酸)が、その後シクロオキシゲナーゼ(Cyclooxygenase,COX)によりプロスタグランジン類やトロンボキサン類に変換される。一方、リポキシゲナーゼ(Lipoxygenase,LOX)によりロイコトリエン(Leukotriene,LT)類に代謝され、これらの代謝物は種々の生理活性を示す。これらの代謝物を総称してアラキドン酸代謝物及びエイコサノイドと呼ぶ。

アラキドン酸代謝物

アラキドン酸カスケードを阻害する医薬品

シクロオキシゲナーゼ阻害薬

COX-2(シクロオキシゲナーゼA2)の阻害により抗炎症作用を示す。
アスピリン、ジクロフェナク、インドメタシン、フェンブフェン、エトドラク、イブプロフェン、ロキソプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム、メロキシカム等
ホスホリパーゼA2阻害により抗炎症作用を示す。
デキサメタゾン、プレドニゾロン等

リポキシゲナーゼ阻害薬

プランルカスト

関連項目