しし座83番星
しし座83番星 (83 Leonis, 83 Leo) とは、太陽系からしし座の方角に58光年離れた位置にある連星である。橙色準巨星の主恒星と、橙色の主系列星の伴恒星からなる。両天体の間は少なくとも515天文単位離れており、ともに太陽より低温と考えられている。
2011年時点で、2つの太陽系外惑星が伴恒星の周囲に確認されている。1つは2005年に発見され[1]、もう1つは2010年に発見された[2]。
恒星系
主星のしし座83番星Aは6等級の星である。肉眼では観測しづらいが、双眼鏡を用いれば容易に観測できる。光度階級では準巨星に分類されているが、これはこの恒星の中心部で水素の核融合反応が終わり、赤色巨星へ変化しつつあることを意味する。
伴星のしし座83番星Bは8等級の橙色の主系列星で、太陽より質量が小さく(0.88太陽質量)、直径や温度の値も太陽より小さい[3]。観測には、双眼鏡かより高度な機材が必要となる。A星とB星は共通した固有運動を示しており、このことから2つの天体は重力で縛られた連星だと確認されている。天球上に投影されたA星とB星の距離は515天文単位だが、真の距離はこれよりはるかに大きい可能性がある[4]。
ワシントン重星カタログには、14.4等級の暗い別の天体がしし座83番星を構成する天体として記載されている。この天体はABペアとは異なる固有運動を持つため、見かけの二重星である。
惑星系
2005年1月、恒星Bの周囲に太陽系外惑星しし座83番星Bbが発見された。報告したのはカリフォルニア・カーネギー惑星探査のチームで、視線速度法を用いたものだった。惑星の下限質量は土星の半分以下で、恒星に接近した軌道を17日の周期で公転している。
2010年には同じ恒星に惑星しし座83番星Bcが発見された[2]。
なお、恒星Aには2011年時点で惑星は発見されていない。
名称 (恒星に近い順) |
質量 | 軌道長半径 (天文単位) |
公転周期 (日) |
軌道離心率 | 軌道傾斜角 | 半径 |
---|---|---|---|---|---|---|
b | ≥ 0.109 ± 0.013 MJ | 0.1232 ± 0.0071 | 17.0431 ± 0.047 | 0.254 ± 0.092 | — | — |
c | ≥ 0.36 ± 0.02 MJ | 5.4 ± 0.1 | 4970 ± 149 | 0.106 ± 0.006 | — | — |
参考文献
- ^ Marcy, G. et al. (2005). “Five New Extrasolar Planets”. The Astrophysical Journal 619 (1): 570–584. doi:10.1086/426384 .
- ^ a b Meschiari, S.; et al. (2010). "The Lick-Carnegie Survey: Four New Exoplanet Candidates". arXiv:1011.4068 [astro-ph.EP]。
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は無視されます。 (説明); 不明な引数|version=
は無視されます。 (説明) - ^ “The Planet Around HD 99492”. California & Carnegie Planet Search. 2006年5月9日閲覧。
- ^ Raghavan et al. (2006). “Two Suns in The Sky: Stellar Multiplicity in Exoplanet Systems”. The Astrophysical Journal 646 (1): 523–542. doi:10.1086/504823 .
- ^ Butler et al. (2006). “Catalog of Nearby Exoplanets”. The Astrophysical Journal 646 (1): 505–522. doi:10.1086/504701 .