おおきな木
おおきな木(原題:The Giving Tree)はシェル・シルヴァスタイン作の絵本。1964年にアメリカ合衆国で出版され、好評だったため1973年にフランス語に翻訳された。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
物語
リンゴの木と少年は友達であった。ともに遊び、心を通わせていた。しかし少年は大人になってゆきお金が必要になる。木は「私の果実を売りなさい」と言う。少年は果実をすべて持っていった。しばらくして、大人になったその子は家が必要になる。木は「私の枝で家を建てなさい」と言う。その子は枝をすべて持っていった。また時が経ち、男は「悲しいので遠くへ行きたい」と言う。木は「私の幹で舟を作りなさい」と言う。男は幹を持っていった。時が経ち、男は年老いて帰ってきた。そして「疲れたので休む場所がほしい」と言う。木は「切り株の私に腰をかけなさい」と言う。男は腰をかけた。木は最初から最後まで幸せであった。
補足
- 作中に一箇所だけ「だけど それは ほんとかな。」と入る。
- 村上春樹の訳では上記の訳は「幸せに・・・なんてなれませんよね」となっている。
- 上記の文は、原作では「but not realy」である。
- 翻訳者の本田錦一郎はあとがきにおいて、エーリヒ・フロムの著書『愛するということ』の文「愛とは第一に与えることであって、受けることではない」を引用し『おおきな木』にも通じていると述べた。「与えることに犠牲を見てはならない」とも述べている。
参考文献
- 『おおきな木』 シェル・シルヴァスタイン 翻訳:本田錦一郎 1976年 篠崎書林 ISBN 978-4784101481
- 『おおきな木』 シェル・シルヴァスタイン 翻訳:村上春樹 2010年 あすなろ書房 ISBN 978-4751525401