Mr.Big

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Mr. Big
基本情報
出身地 アメリカ合衆国
ジャンル ハードロック
活動期間 1988年〜2002年、2009年
レーベル ワーナー/アトランティック
共同作業者 レーサーX, スティーヴ・ヴァイ
公式サイト www.mrbigsite.com
メンバー
エリック・マーティン
パット・トーピー
ビリー・シーン
ポール・ギルバート
旧メンバー
リッチー・コッツェン
  

Mr. Bigミスター・ビッグ)は、アメリカハードロックバンド1989年にデビュー、2002年に解散したが、2009年に、オリジナルメンバー4人で再結成した。

目次

[編集] 歴史

タラスでデビューし、デイヴィッド・リー・ロスのバンド等で活躍していた超絶技巧ベーシストビリー・シーンが、サンフランシスコの実力派シンガーエリック・マーティンと出会い、後に、レーサーXの"光速"ギタリストポール・ギルバートと、インペリテリなどで活躍していたパット・トーピー(ドラムス)が加わり、新バンドを結成。ポール・ロジャース率いるブリティッシュハードロックバンド、フリーの楽曲タイトルからMR.BIGを名乗り、1989年に、アルバム『MR. BIG』でデビューする。結成当初から、その華やかな顔ぶれからスーパーバンドと呼ばれ、派手なテクニックの応酬を期待する声もあったが、実際にアルバムの大半を占めたのはその名が示すとおりのオーソドックスなハードロックであり、オープニングナンバーの"ADDICTED TO THAT RUSH"ではビリーとポールが得意の速弾きを披露して周囲の期待に応えたものの、2曲目以降ではメンバー各人が持ち場をわきまえたプレイに徹していた。しかしながら、その高度な演奏テクニックは至る所で効果的に発揮されており、伝統的なスタイルでありながら新鮮なダイナミズムをも兼ねそろえたアルバムに仕上がっている。彼らの目指す音楽性が、明確に示された。

1991年に、2枚目のアルバム『LEAN INTO IT』をリリース。先端にギターピックを取り付けた電気ドリルによるトリックプレイで話題を呼んだ"DADDY,BROTHER,LOVER,LITTLEBOY"、その後ライブにおける定番曲となる"ALIVE AND KICKIN'"といったパワフルなハードロックから、"JUST TAKE MY HEART" のような美しいバラード、キャッチーなメロディを持つ"GREEN TINTED 60'S MIND"、そしてもちろん№1シングル"TO BE WITH YOU"まで、彼らの魅力が凝縮された名盤である。しかし、その後の代表曲である"GREEN TINTED 60's MIND"、全米№1ヒットとなる"TO BE WITH YOU"の2曲はアルバムに収録するか否かがメンバー間で問題となった曲でもある。このポップな2曲のヒットによって、ブリティッシュハードロックに根差したブルージーなロックバンド、という結成当時の構想と、現実との間にずれが生じ始める皮肉な結果を生んだのもまた事実である。良くも悪くもここがバンドの分岐点となった。

1993年に、3枚目のアルバム『BUMP AHEAD』をリリース。 "TO BE WITH YOU"の大ヒットによって、一躍人気アクトの仲間入りを果たしたバンドは、レコード会社からの大きな期待、言い換えれば圧力を受けながらこのアルバムを制作することとなった。会社側からの「"TO BE WITH YOU"のような曲がもう一つほしい」との要求によって、大量のバラードタイプ曲のデモ制作を余儀なくされ、結局、キャット・スティーブンスの"WILD WORLD"のカバーを追加収録し、シングルカットもされたが、商業的に成功したとはとても言えない結果に終わることとなる。しかしながら、アルバムそのものの出来は決して悪くなく、楽器隊の三人が超人的なユニゾンプレイを披露する"COLORADO BULLDOG"をはじめ、彼ららしいグルーヴ満載のアルバムである。また、シンセサイザーやストリングスを大胆に導入した曲もあり、音楽性の広がりを感じさせる。ボーナストラックを除く本編ラストには、バンド名の由来となったFREEの"MR.BIG"のカバーが収録されている。

1996年1月に、4枚目のアルバム『HEY MAN』をリリースする。これまでの彼らのアルバムは、1曲目に必ず「激しく、楽器陣が超絶テクニックを駆使したアップテンポのハードロックナンバー」を持ってくるという法則があったが、このアルバムにて、初めてそれが破られた。ピアノによるイントロで幕を開けるオープニングナンバー、"TRAPPED IN TOYLAND"は、ドライブ感はあるがダークなムードが漂う異色作で、バンドに大きな変化が生じたことを感じさせる内容だ。印象的なリズムと美しいメロディを併せ持った佳曲、"TAKE COVER"は日本でシングルヒットし、新たなファンを獲得することに成功。このアルバムに伴うツアーでは、初の武道館公演を実現させる。この頃からバンド内の人間関係が希薄になっていたことも影響してか、バンド作品としての一体感に欠け、演奏に覇気が感じられない印象は否めないが、楽曲自体はそれぞれに魅力あるものが並ぶ。特にスローテンポでじっくり聴かせるタイプの曲におけるメロディラインの美しさが耳を惹く。"GOIN' WHERE THE WIND BLOWS"のレコーディングはビリー抜きで行われ、その後の人間関係にさらなる悪影響を及ぼす結果になった。

同年11月には、初のベストアルバム『BIG, BIGGER, BIGGEST!』をリリース。その後、『ミュージックステーション』への出演を最後に活動休止を宣言。メンバーはそれぞれ、ソロ活動、別プロジェクトに乗り出す。

1997年に、日本武道館でのライブを収録した『LIVE AT BUDOKAN』をリリースする。初回盤は、武道館と同じ八角形のアルミ製のケース(武道『館』とアルミ『缶』をかけた洒落と思われる)入りであった。   1999年、活動を再開しようとした矢先、ポールが脱退。その後バンドは、かつてから親交のあった実力派ギタリストリッチー・コッツェンを新ギタリストとして迎え、スタジオアルバムとしては通算5枚目となる『GET OVER IT』をリリースする。新生MR,BIGの第一弾アルバムは、新加入のリッチーの個性を前面に押し出した内容で、ポール時代のポップ性は影を潜め、よりブルージーな楽曲が中心となった。ソロシンガーとしてのキャリアを持つリッチーがエリックとリードヴォーカルを分け合う"STATIC"で、バンドは新たなラインナップによる進化の可能性を主張している。ブルースやファンクのスタイルを得意とするリッチーの加入は、バンド結成当初の方向性に立ち返るという意味では好材料であったが、ポールのポップセンスと伝統的ハードロックとの融合がこのバンドの重要な個性であったことは間違いない事実であり、ファンの間で賛否両論を生んだ。この年の年末、久々の来日公演を行い、大晦日にはエアロスミスバックチェリーと共に2000年カウントダウンコンサート(大阪ドーム)に参加。この時の模様は、WOWOWで生中継された。

2000年 新曲入りバラードベストアルバム"DEEP CUTS"リリース。ポール時代の曲の一部は、新ラインナップによってリメイクされている。このリメイク曲のうち一曲でビリーのベースソロが本人に許可なく削除されたほか、前述の"GOIN' WHERE THE WIND BLOWS"が収録されたことからビリーと他のメンバーとの人間関係が再び悪化した。

2001年8月に、6枚目のアルバム『ACTUAL SIZE』をリリース。アルバムリリース直前に、突然バンド側が「ビリーを解雇した」と公式発表する。自身のソロ活動のためレコーディングを一時離脱した際に、残りの三人とプロデューサーのリッチー・ズィトーによってアルバムの方向性が大幅に変更されたことに対する不満から、ビリーがバンドに対して非協力的な態度をとり続けたためとされる。アルバムのブックレットにはビリーのサンクスリストすら用意されず、作曲に関わった楽曲もわずか一曲にとどまっている。しかし、協議の末、最後にビリーを含む四人でフェアウェルツアーを行い、その後解散するという結論に至る。最終公演に当たる、2002年2月5日東京国際フォーラムでのライブはレコーディングされ、"MR,BIG IN JAPAN"なるタイトルでリリースされた。

2008年5月7日ロサンゼルスハウス・オブ・ブルースで行われた、ポール・ギルバートのソロライブにて、Mr. Big ほぼ再結成が実現。サプライズ・ゲストとして、ビリー・シーン、パット・トーピー、リッチー・コッツェンがステージに登場し、2曲を披露。リッチーが、ボーカルで"30 Days In The Hole"、 ポールとマイク・ズーターのダブル・ボーカルで、"Daddy, Brother, Lover, Little Boy"を演奏し、会場を沸かせた。4人のうち3人が同じステージに立つのは、実に6年ぶり。

2009年1月31日2月1日放送のラジオ番組『HMシンジケート』で、オリジナルメンバー4人による再結成が発表された。同年4月、未発表曲のリマスターヴァージョンを含むベストアルバム"NEXT TIME AROUND"をリリース。

2009年6月"Next Time Around 2009 Tour"を日本で開始。10公演全てがソールドアウトとなり、大盛況となる。当初は日本のみのツアーという予定だったが、その後アジアツアー、ヨーロッパツアーも実現。

2009年9月16日"Next Time Around 2009 Tour"の武道館公演の模様を完全収録した『BACK TO BUDOKAN』がCD・DVD・Blu-rayでリリースされた。

[編集] ディスコグラフィー

[編集] シングル

  • GREEN-TINTED SIXTIES MIND (1991年)
  • JUST TAKE MY HEART (1992年)
  • WILD WORLD (1993年)
  • TAKE COVER (1996年)
  • GOIN' WHERE THE WIND BLOWS (1996年)
  • STAY TOGETHER (1996年)
  • NOT ONE NIGHT (1997年)
  • SUPERFANTASTIC (1999年)
  • STATIC (1999年)
  • WHERE ARE THEY NOW? (2000年)
  • SHINE (2001年)
  • ARROW (2001年)

[編集] スタジオアルバム

  • MR. BIG (1989年)
  • LEAN INTO IT (1991年)
  • BUMP AHEAD (1993年)
  • HEY MAN (1996年)
  • GET OVER IT (1999年)
  • ACTUAL SIZE (2001年)

[編集] ライブ・アルバム

  • RAW LIKE SUSHI (1990年)
  • RAW LIKE SUSHI II(1992年)
  • LIVE -(1992年)
  • RAW LIKE SUSHI III -JAPANDEMONIUM- (1994年)
  • LIVE AT BUDOKAN (1997年)
  • AT THE HARD ROCK LIVE (1998年)
  • IN JAPAN (2002年)
  • BACK TO BUDOKAN (2009年)

[編集] コンピレーション

  • BIG, BIGGER, BIGGEST! -THE BEST OF MR.BIG- (1996年)
  • DEEP CUTS -Best Of Ballads- (2000年)
  • GREATEST HITS (2004年)
  • NEXT TIME AROUND -BEST OF MR.BIG-(2009年)

[編集] 音楽性

  • 初期の頃にはまさにアメリカンハードロックといった曲が中心であった。特に「Addicted To That Rush」(『MR. BIG』1曲目)、「Daddy, Brother, Lover, Little Boy」(『LEAN INTO IT』1曲目)「Colorado Bulldog」(「BUMP AHEAD」1曲目)はビリーとポールの激しいソロがあり、特に前者2曲は、ライブでは必ず演奏される定番の曲であった。
  • 中期になるとロックでありながらも、より静かな曲やアコースティックな曲、ポップな曲が比重を占めていく。楽器陣全員がコーラスが出来たためライブでも再現される重厚なコーラスワークも人気の理由の一つであった。この頃の代表曲としては美しいメロディーと、ポールが考案した一風変わったドラムによる「Take Cover」(『HEY MAN』収録)が挙げられる。
  • リッチー加入から解散までの後期は、若干ファンク寄りの曲が多い。またリッチーは自身のソロでボーカルもしていたため、エリックとのツインボーカルの曲も存在する。
  • キャリアを通じて、1970年代ロックからの影響(特にイギリスのロック)が強いことは、カヴァーの選曲からも伺える。これまでにスタジオまたはライヴでカヴァーした曲は、「30 Days In The Hole(ほら穴の30日)」(ハンブル・パイ)、「Baba O'Riley」(ザ・フー)、「Wild World」(キャット・スティーヴンス)、「Mr.Big」(フリー)、「Burn」(ディープ・パープル、「Dazed and Confused」(レッド・ツェッペリン)等。

[編集] 補足

  • MR.BIGというバンド名はFREEの同名の楽曲から取ってつけられたものだが、当初はジミ・ヘンドリックスの曲名から取った「RED HOUSE」をバンド名とする案もあった。しかし、当時既にCROWDED HOUSEという似た名前のバンドが存在していたためこれは没になり、バンドの目指していた方向性により近いFREEのレパートリーからバンド名をもらうこととなった。1970年代にイギリスで活動していた全く同名のバンドが存在することは、メンバーは誰も知らなかったらしい。ちなみに、MR.BIGをバンド名に提案したのはパット。パットはその後もバンド名のみならず、「LEAN INTO IT」「BUMP AHEAD」「JAPANDEMONIUM」「HEY MAN」「DEEP CUTS」「ACTUAL SIZE」などの多くのアルバムタイトルを考案している。(「BURRN!」1993年10月号より)
  • 日本では大人気を獲得したため、度々日本でのツアーを行った。(→「ビッグ・イン・ジャパン」)メンバー、はインタビューなどで事あるごとに、日本のファンへの感謝の念を口にし、日本のファンを単なるファンという概念をこえて「Brothers(兄弟)」と呼んでいた。ベストアルバム『BIG, BIGGER, BIGGEST!』日本盤ボーナストラックに「I Love You Japan」という曲が収録されている事などからも、彼らがどれだけ日本のファンを大事にしていたかを伺い、知る事が出来る。
  • ギターのポール、ベースのビリーの2人は、電動ドリルピックを取り付けて演奏する「ドリル奏法」の使い手であり、その際には、必ず日本の工具メーカーであるマキタの電動ドリルを使用したことで有名。そのせいか、マキタは、MR. BIGのコンサートツアーを後援した事があるだけでなく、前述の「I Love You Japan」も、日本ツアーのスポンサーとして協賛した事に対する、マキタへの返礼として書かれた曲であり、マキタとMR. BIGの関係は非常に深い。なお、「I Love You Japan」が、マキタの社歌であるというのは、誤りである。
  • 日本のロックユニットB'zのアルバム『Brotherhood』に、ビリーとパットが数曲参加したことがあり、ビリーはその後、2002年に、サポート・ベーシストとして、ライブツアーに同行している。エリックは、2004年に、B'zの松本孝弘ソロプロジェクトTMGに、ボーカリストとして参加している。また、B'zの楽曲「juice」を、MR.BIGがレコーディングしたとされているが、世にはまだ出回っていない。
  • 谷村新司のアルバム『半空 NAKAZORA』の収録曲「クリムゾン」に、ポールがギターで参加している。また、TOKIOのアルバム『TOK10』の収録曲「ブルドッグ」でも、ポールがギターで参加している。
  • 2009年春、ボーカルのエリック・マーティンが、新譜の告知で、大阪の毎日放送を訪れた時、同局で番組収録していた板東英二を発見し、板東英二のサインをもらう。その後のインタビューで、理由を尋ねると「もちろん、板東さんが偉大なプロ野球選手だったことも、その後、俳優、タレントとして活躍しているのも知っているよ」と答えた。

[編集] 外部リンク