Kiss in the Blue

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Kiss in the Blue』(キス・イン・ザ・ブルー)は、宮坂香帆による日本漫画作品。

少女コミック』(小学館)にて1997年17号から1998年16号まで連載された。単行本は全4巻、文庫版全2巻。

あらすじ[編集]

3年前の夏、レイプされた過去を持つがその時の記憶が曖昧な女子高生・佐伯千世は、自分と同じ場所に同じ十字の傷を持つクラスメイト・葛城薫と知り合う。彼は幼い頃の思い出のあの少年なのか、記憶が蘇り始めるが、薫が3年前自分をレイプした男たちと関係があることが判明する。

登場人物[編集]

佐伯 千世(さえき ちせ)
高校1年生。3年前にレイプされた過去があるが、その時の記憶が欠けている。首元に子供の頃に負った十字の傷痕がある。両親は離婚しており、母親と弟・聖彦(きよひこ)との3人暮らし。
葛城薫(後述)とは、小学生の頃に出会っている。高校1年生の夏、薫と再会し、様々な困難に巻き込まれていく。
葛城 薫(かつらぎ かおる)
千世のクラスメイト。小学生の時に父親が自殺し、母子家庭で育つ。父の死以来、母が入退院を繰り返し、その治療費捻出のためにバイトに明け暮れており、学校にはほとんど来ていない。3年前、父親を自殺に追い込んだ千世の父親を襲うよう田宮に指示したが、田宮が千世をレイプしたのは全くの計画外で、高校で千世に再会してからは、気付かれないように陰で助けてきた。
春川 たまき(はるかわ たまき)
千世のクラスメイト。ヤンキーだが千世とは親友。
田宮(たみや)
3年前、薫に頼まれて千世の父親を襲おうとするが逃げられ、直後に父を追って現場に来た千世をレイプする。額の右側に、抵抗した千世が負わせた傷痕がある。
高原 行雄(たかはら ゆきお)
千世の父親。大手医療機器メーカー社長。最愛の女性・美佐子との間に産まれた千世を溺愛しており、千世が薫と交際するようになってから、妨害するように。千世を奪っていく薫を憎悪し拳銃自殺を図るが、千世に止められる。その後、事件の真相が明らかになり、警察に逮捕される。
最終回では、拘置所に収監されており、面会に来た薫から正式に、「お嬢さんを下さい」と告げられる。
葛城 浩平(かつらぎ こうへい)
薫の父親。14年前、殺人事件の被疑者として無期懲役刑を受け、獄中で自殺した。
羽嶋 操(はねしま みさお)
薫に並ぶワルとして名を馳せたヤンキー。少年鑑別所に入っていた。千世を気に入る。
千世たちが2年生に進級してすぐ、千世たちが通う高校に転校してくる。
日下 美佐子(くさか みさこ)
行雄の大学からの友人。千世の本当の母親。14年前の殺人事件で重傷を負い植物状態になる。
刑部 朱里(おさかべ しゅり)
薫が中学生の時に補導などで世話になった刑事の妹。薫のことが好き。
執拗に千世に嫌がらせを繰り返し、ついには薫の目の前で自殺未遂。搬送された病院で、過去に妊娠したのは薫の子ではない事を、兄に告白する。
刑部 刑事(おさかべ けいじ)
朱里の兄。薫が中学生時代に世話になった刑事。
未だに薫を想い続けている朱里を案じ、「現れても無視してくれ。」と懇願する。
佐伯 聖彦(さえき きよひこ)
千世の弟。姉思いで、行雄が千世と薫の仲を裂くため転校させようとした時に、たまきと一緒に転校を阻止。

書誌情報[編集]

宮坂香帆 『Kiss in the Blue』