半分ノ世界

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半分ノ世界』(はんぶんのせかい)は、2014年公開の齊藤工監督による日本短編映画である。

概要[編集]

UULAショートショートフィルムフェスティバルが共同で企画したショートフィルム特別制作プロジェクトの一環として、大橋トリオの楽曲「HONEY」をモチーフに製作され[1][2]UULAで配信された。 監督の齊藤工は、俳優斎藤工と同一人物。 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2014ミュージックShort部門特別上映作品。

あらすじ[編集]

絵を描くのが好きな女子高生・弥生は、母の死をきっかけに、見えるはずの右目に眼帯をしている。
ある日、高校の教室で自席に着くと、机の上に港と灯台の落書きがされていた。定時制に通う生徒が、夜間に描いたらしい。そのまま消さずにいると、翌日から次々と船などが描き足され、弥生にはまるで落書きが動いているかのように見えた。数日後、バイクに乗った人の姿をした犬が描き加えられ、不思議に思った弥生は、思わず眼帯をした少女を描き足す。すると、落書きの犬は、落書きの少女にバイクに乗るよう誘う。翌日、犬はバイクに少女を乗せて机の上で走り出す[注 1]。二人は、ときに船に、ときに飛行機に乗り替えながら世界各地を巡る。弥生は、次第に落書きに夢中になる。

やがて、犬は少女に問いかける。なぜいつも眼帯をしているのか? 少女は、世界に絶望し、半分しか見たくないからだと答える。犬は、自分の世界も半分だと語る。
気になった弥生は、夜間に定時制の授業が行われている教室を訪れ、そこで弥生の席を使う久松という人物が、足が不自由で車いすに乗っていることを知る。久松は、車いすを転倒させてしまい、級友の力を借りて懸命に起きあがっていた。
それを見た弥生は、ある決意をする。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

受賞[編集]

  • セルビア日本交換映画祭 -Japanese-Serbian Film Exchenge-「アイデンティティ賞」受賞
  • 2015年国際エミー賞デジタル部門「デジタル・プログラム:フィクション」ノミネート[3]

関連商品[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 本作のDVDに収録されたオーディオコメンタリーにおいて、この机の落書きのエピソードは、脚本家・金沢知樹の実体験に基づいていると語られている。

出典[編集]

  1. ^ 斎藤工が監督作「半分ノ世界」で見いだした監督と俳優の“信頼関係"=”. 映画.com (2014年6月5日). 2016年3月23日閲覧。
  2. ^ 浜崎あゆみ、絢香らの曲を題材にSSFF&ASIAとUULAがショートフィルムを制作”. CDJournal (2015年5月12日). 2016年3月23日閲覧。
  3. ^ 齊藤工が手掛けた短編映画が国際エミー賞にノミネート”. ザテレビジョン (2015年2月24日). 2016年3月23日閲覧。

外部リンク[編集]