非細菌性慢性膀胱炎

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非細菌性慢性膀胱炎(ひさいきんせいまんせいぼこうえん)は、慢性膀胱炎の原因である基礎疾患(尿路結石・脳血管障害・神経因性膀胱・糖尿病・子宮癌・直腸癌など)が認められず、そして原因となる病原菌も特定できない状態で、細菌性慢性膀胱炎と同じような膀胱刺激症状を認める病態のこと。

病因[編集]

年齢で分類すると、若年型慢性膀胱炎と中高年型慢性膀胱炎に分けることが出来る。

若年型慢性膀胱炎
20歳代~40歳代前半までの女性に発生する慢性膀胱炎である。簡単な尿検査では異常を認めないので、「気のせい」「心因性」「精神的」と誤診される事例が多い病気である。膀胱粘膜の白苔変性やビロード状変性が認められる。現時点では原因不明であるが、隠れた排尿障害が原因と主張する医師もいる。
中高年型慢性膀胱炎
更年期以降(50歳前後)の女性に多く発生する慢性膀胱炎である。主な原因は女性ホルモンの低下によって膀胱粘膜が変性・過敏になって起きる炎症である。細菌が存在しても炎症の原因ではない。

症状[編集]

症状の多様性は、膀胱を支配する脊髄中枢(胸椎10番~仙骨4番)の過敏さによる関連痛がその主な原因である。

  1. 頻尿:1時間~2時間ごとの排尿。多い患者さんは1日30回以上トイレに行く。
  2. 残尿感:排尿直後に尿を出したりない感じに囚われる。
  3. 尿意頻拍:尿は出ないと理解しているが、常に尿意が襲う。
  4. 排尿痛:排尿の終末時・直後に尿道から奥にかけて痛みが走る。
  5. 下腹部痛:恥骨部を中心として重い痛みや激痛が走る。
  6. 外陰部痛:陰部から肛門にかけて重い痛みやキリでえぐるような痛みが走る。
  7. 腰痛・背部痛:腰から背部にかけて重い痛みがある。
  8. 下肢の不快感:大腿部(太もも)の内側や足の裏に痛みやしびれ感がある。

検査[編集]

まず、細菌感染や基礎疾患を否定する必要がある。そのために、急性膀胱炎や細菌性慢性膀胱炎の証明に必要な検査を行う。

  1. 尿一般検査
  2. 尿細菌培養検査
  3. 超音波エコー検査
  4. 造影剤レントゲン検査
  5. 膀胱鏡検査

治療[編集]

細菌感染や基礎疾患が否定されれば、非細菌性慢性膀胱炎と診断する。尿検査程度で「気のせい」「心因性」「精神的」と簡単に診断する医師が多いので注意が必要である。安易に向精神薬や抗生剤を投与する医師、またすぐに精神科や心療内科に転科させる医師が多く、患者さんをドンドン追い詰めることになる。

若年型慢性膀胱炎の治療
現時点では明確な原因が分かっていないので、治療も対症療法に終始してしまうのが通例である。排尿障害が原因の場合は、その原因を取り除くことで症状の軽快をみる。
中高年型慢性膀胱炎の治療
女性ホルモン低下が病気の原因だから、ホルモン補充療法を行う。膀胱が若返れば辛い症状が改善する。


予後[編集]

関連項目[編集]