起業家

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起業家(きぎょうか、英語:entrepreneur)とは、自ら事業を興す(起業)者をいう。通常、ベンチャー企業を開業する者を指す場合が多い。「アントレプレナー」とも言う(フランス語 "entrepreneur"(アントルプルヌール)の英語読みより。女性の場合はentrepreneuse―アントレプルヌーズ)。 ヨーゼフ・シュンペーターはその経済理論において経済革新につながるイノベーションの担い手として重視した。

起業家に必要な能力[編集]

中小企業庁が行った調査では、ベンチャーキャピタリスト等のベンチャー企業を支援する専門家が、創業者に必要な資質として多く回答したのは、

  • 環境変化に適応する柔軟性(48%)
  • 決断力・積極性(36%)

であった(中小企業庁「中小企業創造的活動実態調査」を参照)。

日本において起業家の輩出を妨げる要因[編集]

日本では、諸外国に比較し起業活動が極めて少ない[1]。その原因には根深いものがあり、日本人の根本意識、習慣とも関わっている。一般的に挙げられるものには、以下のようなものがある。

意識、風土的事項

  • 日本人の心に頑固に根づいた「寄らば大樹の陰」意識に起因するものであり、能力の有無、資金の有無、時間的余裕の有無、好況・不況、税制、規制緩和等の環境の変動等とは無関係に、基本的に国民の共通認識(意識)として根強いものがある。学生は大手企業官公庁への就職志向が強い。若者の進路指導を担う教員が安定志向である。
  • 幼少期からの学校生活においても、個人の自立性より集団志向が非常に要求される風土がある。
  • 風土という点においては「皆と同じであること」を美徳とする日本的発想もそれに拍車をかけている。
  • 家族・親族などの反対

習慣、商慣行的事項

制度、信用・金融システム的事項

  • 事業の開始に当たっての法規制が多い。関係する行政の窓口も多数あるなど手続きに時間と資金がかかり負担が大きい。特に、新しい技術を用いた創造的な事業ほど規制をクリアするのが困難で、実行に移すのが難しくなっている。
  • 金融システムは間接金融がメインであり、資金(建物も)の貸借契約においては、連帯保証人、物的担保、実績などが重視され、創業期における資金調達は困難となっている(創業期における直接金融を引き受ける者がほとんどいない)。
  • 中小企業に対する貸出しは金融機関の経営環境や国の金融政策の変化の影響を受けやすい(金融政策としての起業を育成する意識の不足)。また、起こした事業が失敗(経営破綻、倒産)した場合には、創業者個人が「身包みはがされる」ことになり復活が不可能。債務整理後の再挑戦も難しい(いわゆるブラックリストの長期保存)。
  • 新会社法によって資本金がなくても会社が設立できるようになったものの、株式会社の設立には定款のための印紙税や公証人手数料、登録免許税等に20万円以上の資金を消費する必要がある。インターネットから数千円で法人登記が出来る米国等の先進国では、学生でも気軽に会社を興すことが出来るが、日本ではまず法人を設立するためだけにかかる費用が大きすぎる。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]