菊川英里

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菊川 英里(きくかわ えいり、生没年不詳)とは、江戸時代浮世絵師

来歴[編集]

渓斎英泉編『無名翁随筆』の菊川英山の項に、「菊川英山門人」として「英里 錦画(錦絵)アリ、冬木氏」とあるが、現在その作として伝わるのは、ニューオータニ美術館所蔵の「雪中美人図」と、プラハにあるナープルステク博物館所蔵「遊女図」の2点のみである。いずれも落款の下に朱筆の花押がある。作画期は文化から文政の頃にかけてとされている。

作品[編集]

作品名 技法 形状・員数 寸法(縦x横cm) 所有者 年代 落款 備考
雪中美人図 紙本着色 1幅 121.5×27.5 ニューオータニ美術館 文化頃 款記「英里筆」/花押 画面上部に詩賛あり
遊女図 紙本着色 1幅 103.9x29.4 ナープルステク博物館 款記「菊川英里筆」/花押[1]

脚注[編集]

  1. ^ 国際日本文化研究センター海外日本美術調査プロジェクト編 『海外日本美術調査プロジェクト報告3 ナープルステク博物館所蔵日本美術品図録』 国際日本文化研究センター、1994年2月28日、p.203。

参考文献[編集]

  • 渓斎英泉編 『無名翁随筆』〈『燕石十種』第三巻〉 中央公論社、1979年
  • 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年
  • ニューオータニ美術館編 『幻の浮世絵美人たち -大谷コレクション肉筆浮世絵-』 ニューオータニ美術館、1991年 ※155頁
  • 国際日本文化研究センター編 『海外日本美術調査プロジェクト報告3 ナープルステク東洋美術館所蔵日本美術品図録』 国際日本文化研究センター、1994年