瑶池

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瑶池
各種表記
繁体字 瑤池
簡体字 瑶池
拼音 Yáochí
日本語読み: ようち
英文 Jade Pond
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瑶池(ようち)とは、中国神話における伝説の。西の彼方・崑崙山(こんろんさん)の上にある瑶池は、西王母(瑶池金母)の住むところである。西池(せいち)または玉池(ぎょくち)とも書いたのである。

「瑶」自体に美玉の意があり、『史記』や『穆天子伝』においては「玉の池」とは記されていないものの、崑崙山が美玉を産することで有名[1]

呂熊の『通俗大明女仙伝』(原題:『女仙外史』)によれば、瑶池は東天の西偏にあり、西池とも言い、瑶池の水は下界の水ではなく、融成玉(美玉のひとつ)の精髄を溶かして水に変え、溶けてゆらゆらして、まるで酒漿のようである[2]。それは五行思想の金生水(金は水を生じる)と関連づけられている。

昔、穆王が西に巡符した際、瑶池は穆王が西王母と会い酒宴を催したところと言われる[3]。神話では、西王母の誕生祝いである蟠桃会に参加するため、招かれた神々と仙官たちは瑶池に赴いている。また、西王母と同一視された斗母元君は、玉池の中で沐浴し、玉池によって化生した九つの金蓮から九人の子を生んだ[4]

天池青海湖黒海中国語版などは西王母の瑶池とされる。

脚注[編集]

  1. ^ 新撰万葉集研究会『新撰万葉集注釈』和泉書院、2005年、第272頁。
  2. ^ 『女仙外史』巻一”. ウィキソース. 2021年10月27日閲覧。
  3. ^ 『穆天子伝』巻三”. ウィキソース. 2021年10月27日閲覧。
  4. ^ 『玉清無上霊宝自然北斗本生真経』”. ウィキソース. 2021年10月27日閲覧。