最後の晩餐 (ジャンピエトリーノ)

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『最後の晩餐』
作者ジャンピエトリーノ
製作年不明(1520年ころとする推定もある)
種類キャンバス油彩
寸法298 cm × 770 cm (117 in × 300 in)
所蔵モードリン・カレッジオックスフォード

ジャンピエトリーノイタリア語版として知られる、ジョヴァンニ・ピエトロ・リッツォーリ (Giovanni Pietro Rizzoli) による『最後の晩餐』(さいごのばんさん、イタリア語: Ultima Cena)は、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会にあるレオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』の模写である。

この作品は、ロンドンロイヤル・アカデミー・オブ・アーツが所有しているが、オックスフォードオックスフォード大学モードリン・カレッジに貸し出されており、そこで展示されている。来歴については何もわかっておらず、誰が制作を依頼したのか、当初どこに置かれていたのかもわかっていない。バルトロメオ・セネーゼ (Bartolomeo Senese) が最初にこの作品についての言及を残した1626年には、チェルトーザ・ディ・パヴィーアパヴィーア修道院イタリア語版にあった。しかし、そこが、最初にこの作品が置かれた場所であるとは考えにくい。

パヴィーア修道院にもたらされる以前のいずれかの時点で、画面上部の3分の1ほどは切り取られた。1821年に、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツは、この作品を、マルコ・ドッジョーノイタリア語版の作として600ギニーで購入したが、今日では作者はジャンピエトリーノと考えるのが通例となっている。

ジャンピエトリーノは、オリジナルであるレオナルドによるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の食堂の『最後の晩餐』の制作に、助手として関わっていたのではないかと推測されているが、これを証明する当時の証拠は残されていない。この模写には、既に失われた細部についての情報も残されており、食卓上のグラス類や、堂内の内装を飾る花のモチーフなどが描かれている。

レオナルドの『最後の晩餐』

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • D.A. Brown, J. Shell, Pinin Brambilla Barcilon, Giampietrino e una copia cinquecentesca dell’Ultima Cena di Leonardo, Milano 1988.
  • C. Geddo, Disegni leonardeschi dal Cenacolo. Un nuovo nome per le Teste di Strasburgo, in “Tutte le opere non son per istancarmi”. Raccolta di scritti per i settant'anni di Carlo Pedretti, a cura di F. Frosini, Roma 1998, pp. 159, 162-167, figg. 1, 3, 6, 9, 12, 15, tav. XI.
  • Il Genio e le passioni. Leonardo e il Cenacolo, catalogo della mostra a cura di P.C. Marani, Milano 2001, pp. 190-191.

関連項目[編集]

ジャンピエトリーノの『最後の晩餐』。レオナルドのオリジナルと比べると、上部が切り取られていることがわかる。