時 (小説)

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』は、チャート・コープチッティの小説。邦訳版は、岩城雄次郎により訳されて、財団法人大同生命国際文化基金より刊行された。図書館寄贈用の非売品である。

あらすじ[編集]

初老の映画監督が、退屈な老人ホームの日常を描いた舞台演劇を観る。そして、「もし、自分の映画だったらこう撮るのになあ」とあれこれ構想をめぐらす。

映画監督には娘を事故で失った過去がある。

形式[編集]

オーソドックスな小説の形式(主人公の映画監督の独白)に、戯曲風、映画シナリオ風の記述が交互に挿入される。

受賞[編集]

評価[編集]

訳者あとがきによると、上記の賞の選考委員会により「(上記のようなスタイルを採用したことにより)これまでにないユニークな虚構の世界に読者を引きずりこみ、死を待つ老人らの不安や期待を見事に描ききった」と評された。

研究論文[編集]

  • 宇戸清治:現代タイ小説に見る表現技法(1)チャート・コープチッティの実験的小説『時』の研究

関連項目[編集]