文鳳抄

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文鳳抄』(ぶんぽうしょう)(なお、文鳳鈔とするものや、『秘抄』と題する写本もあり、一定でない)は菅原為長の撰した書である。

詩文作成のための語彙や故事などの参考書といった趣のもので、その性格は、和製類書といっても良いものである。

先行する和製類書の幼学指南抄などが漢文であるのに対し、片仮名交じり訓読漢文となっているところが特徴である。

成立については、おそらく初編本が成った後も、数度の増補がされていたはずであるため、はっきりとしない。ただ、成立に関する諸説をまとめると、建暦元年(1211年)から嘉禎元年(1235年)の間ごろに成立したと考えられる。

参考文献[編集]

  • 川口久雄『真福寺本文鳳抄』勉誠社 1981年
  • 山崎誠「菅大府卿為長伝小考」『国語国文』第539号 1979年7月
  • 山崎誠「菅原為長撰文鳳抄伝本攷」『国文学攷』第68号 1980年6月
  • 本間洋一『歌論歌学集成別巻2』三弥井書店 2001年

関連項目[編集]