挿入損失

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挿入損失 (: insertion loss) は、2端子対回路網で構成される高周波回路において、1つの端子からもう1つの端子に伝播する電力の損失をdB (デシベル)で表したもの。

端子1から入力する電力の平方根を a_1 、端子2から入力する電力の平方根を a_2 = 0 、 端子2から出力される電力の平方根を b_2 とすると、端子1から端子2に対する挿入損失 IL は、

IL = -20 \log_{10} \left| \frac{b_2}{a_1} \right| _{a_2 = 0}

となる。

端子1から端子2に対して電力が全て伝播する場合、挿入損失は

IL = -20 \log_{10} \left| \frac{b_2}{a_1} \right| =  -20 \log_{10} 1 = 0 [dB]

となる。

Sパラメータとの関係[編集]

Sパラメータで表現した場合、挿入損失は

 IL = -20\log_{10}\left|S_{21}\right| [dB]

と表される。


一方、反射による損失を含めず、入出力端子間で発生する損失を表す場合には

IL = -10\log_{10}\frac{\left|S_{21}\right|^2}{1-\left|S_{11}\right|^2}\, [dB]

となり、これが挿入損失と表されることも多い。

しかし、定義上は反射損失も含めたものが挿入損失であるとされている。[1][2]:


また、損失の大きさを表す意味で、これらの符号が正と定義されることもある。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ Pozar, David M.; Microwave Engineering, Third Edition
  2. ^ Collin, Robert E.; Foundations For Microwave Engineering, Second Edition