保育所図書室

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保育所図書室(ほいくじょとしょしつ)とは、保育園に設置された図書室の事である。保育園の正式名称は保育所である。ゆえに「保育園図書室」の名も通称であり正式名は「保育所図書室」である。

法根拠[編集]

新藤透は保育園図書室の法根拠を「児童福祉施設設置基準」第32条4項に「乳児室又はほふく室には、保育に必要な用具を備えること。」とあり、この保育に必要な用具の中に絵本が含まれると指摘している。さらに保育所保育指針によって絵本や童話紙芝居を用いた言語教育が記述されている。この2つが保育所図書室の法根拠となると指摘している[1]。同様の指摘を鈴木麻理奈も述べている[2]

保育所図書室の実態[編集]

保育園図書室調査について鈴木麻理奈は米沢市内の保育所「山上やまかみ保育園」を一か所調査している。なお、山上保育園には専用の図書室が無かった[3]。 保育所図書室の設置率調査も含めた実態調査は鯨岡氏が川越市・ふじみ野市の全認可保育園に対し調査を行っている。回答率は41.4%で設置率は10.3%、蔵書平均冊数は506.7冊であった。日本十進分類法管理を行う図書室は見られず、OPAC管理を行っている館か見られないという結果となった[4]

脚注[編集]

  1. ^ 新藤透「幼稚園、保育所関係法令における図書、図書室の記述について」『図書館綜合研究』(4)、2007年、pp.22-33.より
  2. ^ 鈴木麻理奈「なぜ幼稚園・保育園に図書室が無いのか -法的視点と実態調査を中心に」『米沢国語国文』(39)、2010年、pp.76-77.より
  3. ^ 鈴木麻理奈「なぜ幼稚園・保育園に図書室が無いのか -法的視点と実態調査を中心に」『米沢国語国文』(39)、2010年、pp.70-72.より
  4. ^ 鯨岡真一「川越市・ふじみ野市保育所図書室調査報告」『図書館綜合研究』(18)、2018年、pp.72-81.より

参考文献[編集]

  • 新藤透「幼稚園、保育所関係法令における図書、図書室の記述について」『図書館綜合研究』(4)、2007年
  • 鈴木麻理奈「なぜ幼稚園・保育園に図書室が無いのか -法的視点と実態調査を中心に」『米沢国語国文』(39)、2010年
  • 鯨岡真一「川越市・ふじみ野市保育所図書室調査報告」『図書館綜合研究』(18)、2018年

関連項目[編集]