ルベーグの密度定理

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数学におけるルベーグの密度定理は、任意のルベーグ可測集合 A に対して、Aほとんど至るところにおいて A の「密度」が 1 になることを述べる。これは直観的には、A の「境界」(つまり、A の外側にも内側にもはみ出すような「近傍」を持つような点全体の成す集合)は、ルベーグ測度に関して無視できるという意味である。

μ を Rn 上のルベーグ測度とし、 ARn のルベーグ可測な部分集合とする。Rnの点 x の ε-近傍における A の近似密度を次のように定める。

 d_\varepsilon(x)=\frac{\mu(A\cap B_\varepsilon(x))}{\mu(B_\varepsilon(x))}.

ここで、Bεx を中心とする半径 ε の閉球体である。

ルベーグの密度定理A の殆ど全ての点 x に対して密度

 d(x)=\lim_{\varepsilon\to 0} d_{\varepsilon}(x)

が存在してそれが 1 に等しいと主張する。

言い換えると、いかなる可測集合 A に対しても、Rn のほとんど至るところで A の密度は 0 か 1 である[1]。それにもかかわらず、「μ(A) > 0 かつ μ(RnA) > 0 ならば、そこで密度が 0 でも 1 でもないような Rn の点が常に存在する」という奇妙な事実が成立する。

密度定理の例として平面上の正方形を考えると、正方形の内点ではその点での密度は 1、辺上の点では 1/2、角の点では 1/4 である。平面上の点で密度が 0 でも 1 でもない点全体の成す集合(もちろん正方形の境界のこと)はではないが、(零集合になるという意味で)無視できる

ルベーグの密度定理は、ルベーグの微分定理の特殊な場合である。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ Mattila, Pertti (1999). Geometry of Sets and Measures in Euclidean Spaces: Fractals and Rectifiability. ISBN 978-0-521-65595-8. 
  • Hallard T. Croft. Three lattice-point problems of Steinhaus. Quart. J. Math. Oxford (2), 33:71-83, 1982.

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