ポラックの法則

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ポラックの法則(ぽらっくのほうそく)とは、『プロセッサの性能はその複雑性の平方根に比例する』という経験則。ここでの複雑性は、ダイサイズを意味している。つまり、この法則に文字通り従うならば、1プロセッサのダイサイズを2倍に増やしても、性能は\sqrt{2}\fallingdotseq 1.4倍にしか上がらない。

ここで、1プロセッサにおいて、プロセス微細化なしにトランジスタ数を2倍にしたとすると、ダイサイズが2倍となり、ポラックの法則によりプロセッサの性能がおよそ1.4倍に向上する。さらに推論を進めると、その際に消費電力がダイサイズに比例して2倍に増大している。したがって、消費電力(発熱量)あたりの性能ではダイサイズを2倍にすると逆に0.7倍に低下することになる。すなわち、トランジスタ数の増加によるプロセッサの性能の向上は、遠からず熱の問題により頭打ちとなることが予測される。

インテル社のMRL(Microprocessor Research Labs)のディレクター兼インテル・フェロー(Intel Fellow)を務めていたフレッド・ポラック(Fred Pollack)が発見した。なお、実際のデータからは、文字通りではなく、物量と性能の関係は一定ではなく変化するものだ、という意味に取るのが良いようである[1]

この法則が示唆する通り、その後のプロセッサは低消費電力・マルチコア化を指向するようになった。

出典[編集]

  • www.intel.com/research/mrl/Library/micro32Keynote.pdf Technologies1999年に開催されたMicro-32の基調講演にてPollack氏が提示したプレゼンテーション。この4ページ目に示された"We are on the Wrong Side of a Square Law"(我々は二乗則の悪い側にいる[1])という言葉がのちに「ポラックの法則」として広まることとなる。この言葉は、計算機の性能は価格の2乗に比例する、としたグロッシュの法則を踏まえたものと思われる(複雑性=価格とすれば、それぞれの法則を描いたチャートは、逆の形を描くことになる)。

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  1. ^ a b http://news.mynavi.jp/column/architecture/122/index.html

関連項目[編集]