ノート:異界

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en:Otherworldの項を翻訳しようと思った際にこの項目の存在に気が付き、意見を述べる次第です。現状この項目は日本民俗学からの記述が主体となっておりますが、例えば西方浄土ニライカナイティル・ナ・ノーグ地中他界、場合によってはオリュンポス天国地獄など、神話や伝説、教義上で現実世界と区別される別の世界の観念自体は世界中にあります。異界という語はこれらを統合して記述できる強い述語だと思います(別にあるならよいですが適切なものが寡聞にして思いつきません)ので、最終的な発展形としては世界的な記述を追加する必要があると思います。まだ分量・内容ともに乏しいスタブ記事かと思うので、私の方でも翻訳ベースで少しずつ追記できればと思いますが、案がある方がいらっしゃれば加筆のほどお願い申し上げます。

もし上記のように項目の範疇を広げるのはやめたほうがよいという場合もぜひぜひご意見くださいませ。--aoyajiro会話2018年11月14日 (水) 11:15 (UTC)[返信]

うーんどうなんでしょうか。日本語の「異界」概念は、池原陽斉氏がいくつか論考を発表されているように(たとえば「「異界」の展開 : 意味領域の拡散をめぐって」)、学術的なレベルでも、いまだに非常にあいまいな概念です。池原氏によると、死後の世界や神々の世界のみならず境界的領域(便所や橋など)、自宅の部屋まで文献によっては異界とされているようです。昨年、東アジア恠異学会で「異界」をテーマにした研究会があったので見に行きましたが、そこでもまとまる気配は感じられませんでした。日本語圏での概念の多様性や混乱を明記したうえで、あれこれ事例を紹介するだけならいいのかもしれませんが(その場合オリュンポスと便所が並ぶことになりますが)、印欧語族に限定された英語版のOtherworldとリンクしてしまうのは、Wikipediaが率先して他言語との関連での概念規定をしてしまう恐れもあり、微妙な感じがします。--toroia会話2018年11月14日 (水) 13:06 (UTC)[返信]
コメントありがとうございます。またご指摘大変勉強になります。池原氏の論考は私も読んでおり、むしろ実質拡散してるから全部含めればよいのでは、と思った(つまりまさにオリュンポスと便所を併記できる項目だと思った)のが発端です。比較神話学的な整理も可能だろうと思っておりましたが、ただ確かに、「異界」という述語に関して拡散した概念が現状信頼できる文献として整理されていない以上、下手な羅列が独自研究になってしまう可能性についてはよく分かりました。拙速だったと思いますので、上記呼びかけは取り下げさせてください。一方で、私のもともとの課題であったOtherworldの訳出先が不明になってしまうということがあり、こちらにつきまして、もし良い知恵がありましたらお貸しくださいましたら幸いです。さすがにアザーワールドは厳しいように考えています。--aoyajiro会話2018年11月14日 (水) 15:25 (UTC)[返信]
お返事ありがとうございます。英語版Otherworldのほうなのですが、内容はともかくとして、他言語版が1つしかなく、翻訳できる項目としては、まだ成熟していないような印象を受けます。ちょっと調べてみたのですが、他の言語だと、ドイツ語版で「異界」と訳せるページは曖昧さ回避オランダ語スペイン語版も同様、フランス語版も実質的に曖昧さ回避となっていました。異界に類する概念がもっとも使われやすい比較宗教学や神話学が確立されている諸言語版のWikipediaで、これほど確立されていないのはちょっと意外でした(「冥界」に相当する項目なら確立されているのですが)。
というわけで今のところの個人的な意見ですが、多少前言を翻すことになってしまいますが、日本語における概念の展開(池原氏の論考など)をふまえてこの項目を拡充していくことは問題ないと思います(他の言語版を参照枠にできそうもないので)。ただ言語間リンクについてはもう少し色々な意見が欲しいところです。一方で英語版Otherworldは、内容に沿わせるならば日本語版項目名は「インド・ヨーロッパ語族における異界(他界?別世界?)」のようになるかもしれませんが、これではotherworldや異界の概念が取り込めたはずの豊かさを大幅に損ねてしまいますね……。--toroia会話2018年11月16日 (金) 11:29 (UTC)[返信]
なるほど確かに、いまのところ(ヨーロッパの)Otherworldの観念自体が多言語共通の事典項目として扱うには堪えないのかもしれません。わざわざ「インド・ヨーロッパ語族における異界」で立てるのも微妙な気がしますので、ちょっと私の方での翻訳(および多言語リンク)はペンディングいたします。アドバイスに感謝申し上げます。また、Toroiaさんのご提案にあるような方針で、この項目の拡充は可能だと私も思いますので、私の方でも文献精査と加筆を検討してみたいと思います。--aoyajiro会話2018年11月19日 (月) 03:49 (UTC)[返信]