ノート:単段式宇宙輸送機

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単純か?[編集]

従来の宇宙ロケットが多段式であるのは、質量と比推力をツィオルコフスキーの公式に代入することで導かれる、単純な結論である。この結論を覆して単段で宇宙に到達するには、やはり単純な解決策が必要になる。すなわち、従来より軽い(離陸重量に占める推進剤の比率が大きい)機体と、従来より比推力が高い(同じ推力を得るのに必要な推進剤消費率が小さい)エンジンの組み合わせである。

1段め(SSTOならば離昇時)においては、空気抵抗や重力によるキャンセル分のために、比推力が大きいエンジンではなく推力が大きいエンジンのほうが効率が良い、という事情もあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか? --MetaNest 2009年3月15日 (日) 06:42 (UTC)[返信]

そこに書いてあるのは「SSTO作るなら、軽量化するかエンジン強化しないとそもそも宇宙まで飛べないよね?物理的に。」という話ではないでしょうか? なので、単純に、というような言い回しになっているのかなと(ちょっとやぼったい文章な気はしますが)。効率が、というのとはまた違った(そもそも実現できるできないレベルの)話ではないかと思います。--Honeplus 2009年3月15日 (日) 14:01 (UTC)[返信]

そういう意味の単純さであれば、ツィオルコフスキーの公式を持ち出すよりも(ツィオルコフスキーの公式が効く、という事情は、宇宙空間からの発進でも変わりません)、地球表面からの発進である(重力にくわれるので大推力が必要)という事情のほうが、単段式宇宙往還機を困難にしているものとして特徴的ではないかと思います。

十分に軽い機体と十分に高性能なエンジンが必要、という結論は単純ですが、仮に比推力が高いエンジンが得られても、十分な推力が得られなければ、使い捨てないし現行シャトルのような投棄回収型のブースターが離昇のためには必要になる、というのが単段式宇宙往還機というものではないかと(比推力が高いだけで良いのならイオンエンジンでいいということになってしまいます)。

従来の宇宙ロケットが多段式であるのは、ツィオルコフスキーの公式から得られる結論(ツィオルコフスキーの公式の項の例を参照)と、離昇時にはロケットの全重量を持ち上げるために十分な推力(比推力ではない)が必要であるためである。単段で宇宙に到達するには、これらを覆す解決策が必要になる。すなわち、従来より軽い(離陸重量に占める推進剤の比率が大きい)機体と、従来より比推力が高く(同じ推力を得るのに必要な推進剤消費率が小さい)かつ十分な推力の得られるエンジンの組み合わせである。

以上、文案です。--MetaNest 2009年3月17日 (火) 11:09 (UTC)[返信]

原文を書いた者です。議論に遅れてすみません。ここでいう「単純」とは、質量比と比推力から求められる速度増加量が第一宇宙速度に届かない場合、多段式にすることで合計の速度増加量が大幅に向上するということです。これだけなら高校生でも簡単に計算できる、単純な計算です。ツィオルコフスキーの法則に基く「単段式より多段式のほうが良い」という結論は、単純な物理法則なので、小手先の技では覆せませんよ、という説明です。

MetaNestさんが仰るように、1段目は大推力を必要とします。が、この文脈で比較しているのは衛星や軌道間輸送機ではなく多段式ロケットです。多段式ロケットはすでに離床可能な推力のロケットエンジンを備えています。よって、多段式ロケットをSSTOに発展させるには「比推力」「質量」を改善すればよいのであって、推力は改善すべき問題ではありません。

また、大推力が必須というわけでもありません。推力が自重を上回らないが比推力が格段に良いエンジンという意味では、空気吸い込みエンジンがあるわけですから、推力を落としても比推力を向上すれば良いのです。単純に比推力が問題ならイオンエンジンでも良いじゃないかということですが、イオンエンジンの「推力が小さい」というのは同一質量で比較すればの話であって、同一推力で比較すれば「質量が大きい」ということになります。ツィオルコフスキーの式で第一宇宙速度を達成できるような「比推力と質量」のイオンエンジンがあればそれでいいと思います。結局、比推力が液体水素より格段に良いエンジンは、「技術的に実現していない」か「使えないほど重い」ということになります。原子力ロケットもそうです。

概要はシンプルにすべきだと思うので、比推力が良くても推力が小さなエンジンではいけない、という話は、私はツィオルコフスキーの式と並べて概要に書くより、「その他のエンジン」の項に書いてはどうかと思います。また、「単純」の意味が不明瞭だとのご指摘は理解できましたので、下記に私の案を書いてみます。

21世紀初頭の時点の技術では、単段式ロケットで第一宇宙速度を達成することは難しい。しかし、ロケットを多段式にすれば、各段の速度増加量を合計することで、大幅に速度を稼ぐことができる。このように、従来の宇宙ロケットが多段式であるのは、質量と比推力をツィオルコフスキーの公式に代入することで導かれる、単純な結論である。この結論を覆して単段で宇宙に到達するには、やはり単純な解決策が必要になる。すなわち、従来より軽い(離陸重量に占める推進剤の比率が大きい)機体と、従来より比推力が高い(同じ推力を得るのに必要な推進剤消費率が小さい)エンジンの組み合わせである。

化学反応では為し得ない比推力を実現すれば、SSTOの実現は容易になる。イオンエンジンや原子力エンジンはきわめて高い比推力を得られるが、推力の割に質量が大きく、地上から離陸しなければならないSSTOには適用できない。機体外部からのエネルギー(レーザーなど)を利用する方法も提唱されているが、アイデアの域を出ておらず、本格的な研究は行われていない。SFにおいては、このような超高性能エンジンを搭載したスペースプレーンがしばしば登場する。逆に、このようなエンジンが実現しなければ、SSTOの実用化は不可能であると考える者もいる。

以上です。やきそばん 2009年3月18日 (水) 03:46 (UTC)[返信]

同意できません。そもそも、空気抵抗を気にせず軌道速度まで加速できる宇宙空間に行くことができなければ、ツィオルコフスキーの公式どうこう以前だ、ということなのです。H-IIも現行スペースシャトルも、ツィオルコフスキーの公式から単純に得られる結論としての、単純な多段ロケットではないですよね? 単純には、LE-7を縦にいくつも並べればいいはずです。現行のロケットは、大推力のブースターか第一段を使い捨てにすることで成立しているわけですから、『すでに離床可能な推力のロケットエンジンを備えています。よって、多段式ロケットをSSTOに発展させるには「比推力」「質量」を改善すればよい』には同意できません。スペースシャトルからブースターをとっぱらうには、SSMEのメインエンジンが大推力である必要があるわけです。
『同一推力で比較すれば「質量が大きい」』とのことですが、なぜ、エンジンの性能を示す値のひとつ「推力重量比」の、重量の側にだけこだわるのか、理解できません。
ところで、空気吸い込みエンジンは、イオンエンジンと同様の、使えない例として出されたのですよね?
 --MetaNest 2009年3月20日 (金) 00:37 (UTC)[返信]
なるほど、MetaNestさんが言いたいことがわかってきました。
>比推力が大きいエンジンではなく推力が大きいエンジンのほうが効率が良い、という事情もあるのではないかと思います
とありますが、多段式ロケットは、高比推力エンジンだけで構成するより低比推力大推力エンジンを組み合わせたほうがシステム全体を小型低価格にできるという意味で「効率が良い」というのは全くその通りです。しかし、「比推力が高いエンジンだけで離床推力を確保する」ことは可能です。
>スペースシャトルからブースターをとっぱらうには、SSMEのメインエンジンが大推力である必要があるわけです。
そうですね、単純に離床推力を確保するだけなら、ブースターを除いた860tを離床させるため1600tfぐらいの推力が必要ですが、推力を確保したければSSMEを8基ぐらい搭載すれば良いのです。SSMEを使ってSSTOを作る場合、比推力453sec、デルタVを10km/secとすると、質量比10程度であれば良いので、推進剤を除いた質量が86tぐらいであれば良い。シャトルのオービターとETの合計は130tぐらいありますから、ペイロードを20tとすると半分ぐらいに軽量化する必要があります。つまり、SSMEの比推力を向上し、かつ機体を軽量化する必要がある。もちろん、軽量化の対象にはエンジンも含まれます。
>:『同一推力で比較すれば「質量が大きい」』とのことですが、なぜ、エンジンの性能を示す値のひとつ「推力重量比」の、重量の側にだけこだわるのか、理解できません。
上記のように、エンジン推力が小さければ、多数搭載すれば良いからです。ところが多数搭載すると、質量比を満足しなくなってしまいます。
>ところで、空気吸い込みエンジンは、イオンエンジンと同様の、使えない例として出されたのですよね?
理論上の比推力と推力重量比は充分ですから、期待通りの性能を持つエンジンが完成すれば「使える例」になります。だから、空気吸い込みエンジンはSSTOのエンジンの候補として各国で研究されていますが、イオンエンジンをSSTOのエンジンにしようと考えている人はいないでしょうね。やきそばん 2009年3月20日 (金) 09:19 (UTC)[返信]
(追記)
>単純には、LE-7を縦にいくつも並べればいいはずです。
ですね。ですから、次期基幹ロケットには、LE-7の後継エンジンであるLE-Xを、1段目に3基、2段目に1基使用する案があります。もし比推力と質量比を満足できるなら、2段目を使わずに1段目だけで軌道に到達するロケットが作れるでしょうね。
簡単に言うと、「推力過小で比推力が充分なエンジン」は、束ねればいいのです。「推力は充分だが比推力が不足のエンジン」は、多段式にするほかないんです。やきそばん 2009年3月20日 (金) 10:44 (UTC)[返信]
こちらもだいたいわかってきました。文頭にある「従来の宇宙ロケット」については、実のところどうでもいいということだと理解しました。ところで、その「理論上の推力重量比」がいかほどで、システム全体としてどういう性能になるのか具体的な値を示しているSSTOかTSTOの資料があればお教えいただきたいのですが。--MetaNest 2009年3月21日 (土) 04:04 (UTC)[返信]
日本では、旧NASDAがLE-7を8基使用して低軌道に10tのペイロードを輸送できるSSTO「ロケットプレーン」を検討したことがあります。これは、現在の技術で機体を製造した場合の質量と、SSTOとして成立するために必要な質量が計算されていました。当時の資料も手元にありますが、入手しやすいところでは「われらの有人宇宙船」という書籍に載っています。この本は、「なぜ現状ではSSTOが成立しないか」ということをわかりやすく解説しています。
あとは、ベンチャースターが過去で最も実現に近づいたSSTOなので、検索してみてはいかがでしょうか。Wikipediaでは、英語版でもたいした情報量ではありませんが・・・やきそばん 2009年3月21日 (土) 06:11 (UTC)[返信]
ご教示ありがとうございます。空気吸い込みエンジンについて、「理論上の比推力と推力重量比は充分ですから、期待通りの性能を持つエンジンが完成すれば」とのことですが、これついてもどのくらいの推力重量比が理論上可能で、具体的にどのような性能のエンジンにより、どのような性能の宇宙機が期待できるのか、そのような資料があれば大変興味深いのですが、そちらはいかがでしょうか? --MetaNest 2009年3月22日 (日) 03:44 (UTC)[返信]

TSTOの分割、改名[編集]

TSTOは明らかに「単段式」ではなく、現在の記事構成は不自然で混乱を招きます。また記述も完全に分かれており、SSTOとTSTO共通の特徴などが論じられているわけでもありません。以上の理由で二段式宇宙往還機の分割を提案します。--SAPAS 2010年5月22日 (土) 01:56 (UTC)[返信]

JAXAの用語集のTSTOを見ると二段式宇宙輸送機となっているので、そちらのほうがいいかもしれません。SSTOのほうも単段式宙輸送機(単段式宇宙輸送機の誤植かと思われます)とあるので、単段式宇宙輸送機への改名提案もあわせて行ないます。SSTO・TSTOに「往還」という意味はないので、訳語としてはより適切と感じます。--SAPAS 2010年5月22日 (土) 02:12 (UTC)[返信]

どちらも賛成です。問題ないと思います。--MetaNest 2010年5月24日 (月) 12:05 (UTC)[返信]
分割賛成です。で、記事名ですが、最初にこの名前をつけた自分が言うのもなんですが、いっそ日本語訳にこだわらずSSTOTSTOとしてしまった方が良いような気もします。訳によって往還機だったり輸送機だったりあまり安定していないようで、かつSSTO,TSTOと略称のまま用いられることが大半な印象があります(あくまで印象ですが)。
ただ、Wikipedia:記事名の付け方#一般的な指針だとどちらが良いのか?と思う部分もあるので、こんな意見もあるよという程度に受け取っていただけると幸いです。 --Honeplus 2010年5月24日 (月) 13:27 (UTC)[返信]