ノート:共沸

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全面的に書き換えました。共沸の定義を複数の化学関連の文献に当たってみたところ、全て「液体の混合物が沸騰する際に液相と気相が同じ組成となる現象」という意味であり、旧版の記述は正確なものではないと考えました。旧版で共沸の例として挙げられている水蒸気蒸留は、気相に水蒸気を混在させることによって分離対象の物質の分圧を下げて低温で蒸留できるようにするためのものです。共沸が生ずると蒸留分離は不可能となるので、共沸を利用した蒸留というものはありえません。化学以外の分野で「共沸」の用語を別の意味で使っていることなどあればご教示下さい。 Atomicoxygen 2006年3月28日 (火) 13:56 (UTC)[返信]

本文で述べておられるように不均一共沸混合物は液相では不均一で相分離するので「共沸が生ずると蒸留分離は不可能となる」ということもありません。まあ確かに、岩波理化学辞典では「共沸混合物をつくる溶液では,分留によって成分を完全に分離することができない.」と書かれていますが、それは分留では分離できないという条件がつきます。不均一共沸混合物の場合は結果として濃縮した液相では物質が分離されるので分離プロセスとしての蒸留は目的を果たすことになります。
また、「液体の混合物が沸騰する際に液相と気相が同じ組成となる現象」という定義は共沸の必要条件ですが。かなりわかりにくい定義です。例えですが「クーロン力とは仮想光子の交換により媒介される力」というよりは「正電荷と負電荷との間に働く力で同種電荷間は斥力、異種電荷間は引力が働く」としたほうが実際の観測される現象に即しており、非専門家も含めてわかりやすいと考えます。ちなみに理化学辞典では「液体の混合物を一定の外圧のもとで蒸留するとき,ある温度および組成のところで,溶液の組成と蒸気の組成とが一致することがある.そのため,沸点がそこで極大または極小となり,定沸点の混合液体が得られる現象」といっているので、共沸であるならば「混合物の組み合わせによっては、組み合わせに固有の組成比で定沸点の混合液体が得られる現象」位がわかりやすいと考えます。あら金 2006年4月17日 (月) 17:36 (UTC)[返信]
不均一共沸混合物ならば静置しておけば液相分離するのですから、そもそも蒸留分離が必要になるわけもありません。不均一共沸混合物という概念に格別の重要性があるとは思っていませんので、さらりと触れるにとどめました。
共沸の定義についてはコメントの趣旨を汲んで加筆しました。少しはわかりやすくなったでしょうか。本当は混合物の気液平衡線図と組成-沸点のグラフで説明すると良いのですが、適切な画像が見当たらなくて。Atomicoxygen 2006年4月19日 (水) 13:35 (UTC)[返信]
ニ成分系ならばご指摘の通り価値が無いかもしれませんが、多成分系では共沸系を形成するものとそうでないもので分別されるので意味はあると考えます。実験室では他の方法があるというのもその通りです。
ニ成分系以上の場合、非共沸系であれは沸騰曲線と凝縮曲線とは成分比0%か100%以外では両曲線は交差しません。優秀な蒸留塔であれば沸騰する混合物液面から分留口までの温度勾配が存在し、それぞれの温度で気液平衡が成立するので温度の低い分留口では気液平衡線図の低い温度で沸騰曲線と凝縮曲線と交わっている成分が多くなり。十分に理論段数が高い場合は分留口の位置では単一成分になるので分留することが可能になります。したがって非共沸系であっても沸騰液面に近い方は蒸気も壁面の凝縮液も混合物です。(なので蒸留するときは壁面で凝縮していないと成分濃縮のフィードバックがかからないので、壁を過熱して迅速に蒸留を終わらそうとすると分離が不十分になります。釈迦に説法でしょうが…)。
それ故、分留口から共沸混合物が出てくるというのは混合物のニ相系が0%あるいは100%以外の濃度比で沸騰曲線と凝縮曲線が交差しており、そこに向かって気-液平衡の濃縮サイクルが収束してゆくことに過ぎません。つまりある温度で気相と液相の成分比が等しいというのはその温度で沸騰曲線と凝縮曲線が交差していることの言い換えに過ぎません。また分留口では共沸温度であっても、液面ではもっと高い温度で沸騰してるはずで、その間の温度分布が連続的に変化するにあわせて相平衡が変化して成分が濃縮されています。したがって、気相と液相の成分比が等しいというのは原因というよりはむしろ結果のように考えます。逆に、沸騰曲線と凝縮曲線の交点が0%と100%にしかない系あるという条件と蒸留装置の理論段数が沸点差に対して十分であるという二つの条件を満たしたときのみ単一成分を分留することができます。
そういった目で見ると沸騰している液面では液相と気相の成分比が同一ではなくても、十分に理論段数が存在すれば分留口からは共沸組成の共沸混合物が出てくるはずなので「液体の混合物が沸騰する際に液相と気相が同じ組成になる現象である」というのは少し違和感があります。あら金 2006年4月20日 (木) 15:54 (UTC)[返信]
共沸というのは物理化学上の概念なので、現実の実験装置や産業設備の中で何での複雑な現象についてうんぬんする前に、単純化・理想化された状況を一義的に考えるべきと考えています。そうすると「液体の混合物が沸騰する際に液相と気相が同じ組成になる現象である」といった表現となるのが必然で、それは気液平衡線図で沸点曲線と露点曲線が交わることと等価です。共沸の説明をするのに多段の蒸留装置を持ち出す必要があるとは思いません。Atomicoxygen 2006年4月21日 (金) 12:46 (UTC)[返信]

メタノール変性アルコールによる中毒の記述の取り消し(削除)[編集]

エタノールとメタノールの共沸によりメタノールを除去することが不可能なため、メタノール変性アルコールにより中毒が出た旨、非科学文献の出典付きで記述がありましたが、以下の二点の理由で科学的な正確性に疑問が残ると判断したため削除しました。

1、 メタノール/エタノールの二成分系、メタノール/エタノール/水の三成分系について以下のサイトで科学論文の引用付きで"zeotrope=非共沸混合物"と断言されています。また原著論文に置いてazetropicな挙動が確認出来ませんでした。 http://www.ddbst.com/en/EED/AZD/AZD%20Ethanol%3BMethanol.php http://www.ddbst.com/en/EED/AZD/AZD%20Ethanol%3BMethanol%3BWater.php

2、 A/Bの混合物からBを除去可能かどうかと、A/Bが共沸混合物を作るかどうかは必ずしも1対1対応している訳ではありません。エタノール-水は96:4で共沸混合物を作るため、50%エタノール水溶液を蒸留して得られるエタノール濃度は96%が最大ですが、98%エタノールを加熱して100%に近いエタノールを得ることは当然可能です。

2の理由から共沸蒸留の以下の文も不正確なので修正します >しかし条件を変えることによって共沸を回避できることもある。 しかし圧力を変更したり、第三成分を追加することにより共沸混合物の組成を変化させることはできる。

--VXytkn会話2019年12月24日 (火) 17:00 (UTC)[返信]