ノート:トラトラトラ

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 昭和41年、りーダース・ダイジェスト社より発行されたゴードン・プランゲ氏著「トラ・トラ・トラ」を映画化したものだが、原作の公正・公平、そして好意に溢れた姿勢がそのままスクリーンに表現された傑作。原作・史実に忠実だったことに加えて(若干映画としての面白さのための脚色はあったが、大筋には絵影響なし)、飛行可能な実機(ノースアメリカン T6 テキサン)の側面形を改造してそれぞれゼロ戦、99式艦爆、97式艦攻に平面形以外はほぼ完璧に模して、実際の空母から発艦させたシーンには、技術としてはすばらしかったであろうが、所詮まがいものの日本の特撮をはるかに超えた迫力と同時に、ホンモノを一瞬の画像に凝縮させるアメリカのエンターテインメントへの情熱をひしひしと感じた。黒澤監督から深作監督への交替も正解だったのではないか。  実在したパイロットも板谷茂、村田重治、飯田房太、渕田美津雄、佐藤兵曹・金井兵曹(水平爆撃の神様と呼ばれた名パイロット)など、適切に配役されていた。「空軍大戦略とともに、太平洋・ヨーロッパの傑作歴史戦争映画の双璧であろう」(ただし「空軍大戦略」はまさに陳腐な日本題名で、原作通りに“BATTLE of BRITAIN”または“英国の戦い”とすればもっと評価は上がったのではないか)。

 淵田美津雄中佐の帰還後「第二次攻撃のの準備はまだか!」と源田中佐の南雲司令官への「攻撃は反復しなければなりません!」の意見具申は実際はなかったとのことである。これは製作者、監督の責任ではなく、昭和22年から26年にわたって、真珠湾攻撃関係者からのインタヴューをしたプランゲ氏は、渕田・源田氏からも「意見具申」の話を聞き、そのまま著作に挿入したが、のちに源田氏は自らの著作で「意見具申はしていない」(!?)と述べており、また渕田中佐も同様であった、という。(「真珠湾攻撃総隊長 渕田美津雄の戦争と平和」生出寿著 1992年7月 徳間書店)--以上の署名のないコメントは、220.98.149.196会話/Whois)さんが 2004年8月8日 (日) 10:49‎ に投稿したものです(Hk19720904shine会話)による付記)。