トリリウムの定理

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トリリウムの定理 (トリリウムのていり、: теорема трилистника: Trillium theorem)とは幾何学の定理である。

定理[編集]

△ABCにおける内心をI、点Aに対する傍心をJとする。半直線AI(これはJを通過する)と△ABCの外接円との交点をPとする。

このとき、点I,B,J,Cは点Pを中心とする同一円周上にある。

証明[編集]

半直線ABと傍接円との接点をHとする。

まず ∠BAP=∠CAP より PB=PC である。

次に

∠IBP=∠IBC+∠CBP=∠IBC+∠CAP=∠IBA+∠IAB=∠BIP

つまり ∠IBP=∠BIP

よって△PBIは二等辺三角形であり PB=PI である。

以上から PB=PI=PC である。

また

∠JBI=∠IBC+∠JBC=1/2∠ABC+1/2∠CBH=1/2(∠ABC+∠BCA+∠CAB)=90°

つまり ∠JBI=90°

いま直角三角形JBIにおいて斜辺IJ上に点Pがあることと PB=PI が分かっている。このとき

∠PJB=90°-∠BIP=90°-∠IBP=∠PBJ

より△PBJは二等辺三角形であり PB=PJ である。

以上から PB=PI=PC=PJ である。

これが示されるべきことであった(Q.E.D.)。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]

  • Weisstein, Eric W. "Incenter-Excenter Circle". mathworld.wolfram.com (英語).(内心-傍心円)