ダイヤモンド (青山広美の漫画)

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ダイヤモンド
ジャンル 野球
漫画
作者 青山広美
出版社 小学館
掲載誌 ビッグコミックスピリッツ
レーベル ビッグコミックス
発表号 1998年15号 - 2000年2・3合併号
巻数 全8巻
話数 全86話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

ダイヤモンド』は、青山広美による日本漫画作品。『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて、1998年15号から2000年2・3合併号まで連載された。野球漫画。単行本は全8巻。

あらすじ[編集]

赤目組組員の種田恒夫は、般若組組員を脅かすつもりで、銃を乱射。そこを隠れ家にしていた般若組組長を誤って射殺してしまい、逃げ込んだ野球場で逮捕される。一方、東京フェニックスの若き4番打者である童子秀巳は、早朝のランニング練習中に、ホームレスに襲われ逆に相手を殴り殺してしまう。 スキャンダルを恐れた東京フェニックス首脳陣は、そっくりの影武者を立てて、警察の捜査を逃れようとした。その結果、顔がそっくりな服役囚・種田を捜し当て、彼を刑務所から連れ出す。

登場人物[編集]

東京フェニックス[編集]

本拠地は東京フェニックス・ドーム。

選手[編集]

種田恒夫(たねだ つねお)
本作の主人公。背番号5。三塁手。右投げ左打ち。26歳。185センチメートル。78キログラム。
赤目組組員。趣味はオナニー、好物は納豆とエビフライ。得意な演歌は「恨み酒」。般若組組長を射殺し、殺人容疑で手配中だったが、童子秀巳の影武者として活躍する。
父親とは幼少のころに死別し、母親にも捨てられ施設を転々としていた過去を持つ。
童子秀巳(どうじ ひでみ)
本作のもう一人の主人公。背番号5。外野手。右投げ左打ち。22歳。
史上最年少の本塁打王。高校時代は4番エースとして甲子園出場3回、うち優勝1回。3年前、ドラフト1位で東京フェニックスに入団。ウィークポイントは内角高め。
酔ったホームレスに襲われ顔に傷を負い、逆に殺害してしまう。
早川勝次(はやかわ かつじ)
背番号18。投手。右投げ右打ち。
フェニックスのエースで、フラッシュ早川の弟。最速149キロのストレート、高速スライダー、シンカーを投げる。兄とは3歳差で、ドラフト6位入団。兄とは異なり、一年一年と着実に成長しエースにまで上り詰めた。
藤田(ふじた)
背番号23。捕手。右投げ右打ち。6番か8番を打つ。団子鼻が特徴。
大木(おおき)
背番号1。一塁手。左投げ左打ち。童子が入団するまでの10年間は4番として活躍していた17年目のベテラン。三冠王も獲得したことがある。ジャガーズ戦では4番として出場。
奈良(なら)
背番号10。二塁手。右投げ左打ち。2番打者を務める。小兵ながらセ・リーグ随一の出塁率を誇り、オールスターにも出場。
小倉(おぐら)
背番号7。三塁手兼遊撃手。右投げ右打ち。足が速く、クリーンナップを任されている。
ホーリー
背番号0。左翼手兼一塁手。左投げ左打ち。クリーンナップを任されている新外人。
寺島(てらしま)
背番号17。中堅手。右投げ右打ち。金髪の長髪が特徴。俊足で7番を打つ。
黒川(くろかわ)
背番号55。右翼手。右投げ左打ち。髭面が特徴。エンジェルス戦にてセーフティバントを決める。
加目男(かめお)
背番号8。遊撃手。右投げ。1番打者を務めるが描写は少ない。
柿沢(かきざわ)
背番号13。三塁手。ジャガーズ戦にてファインプレーを披露。出っ歯が特徴。
飯野(いいの)
背番号11。右投げ。抑えのエース。口髭が特徴。
大仏(おおらぎ)
代打要員。左打ち。ベテランで、変化球にはめっぽう強い。大仏のような顔をしている。
林(はやし)
背番号8。左翼手。
土田(つちだ)
右打ち。外野手。
小田(おだ)
背番号37。捕手。右打ち。
伊藤(いとう)
外野手。
垣本(かきもと)
左打ち。

首脳陣・関係者[編集]

敷田吾郎(しきた ごろう)
監督。背番号80。極度のあがり症。童子の隠蔽工作に加担する。
沢田安夫(さわだ やすお)
ヘッドコーチ。背番号53。現役時代は名捕手といわれた。童子の隠蔽工作に加担する。
山田一男(やまだ かずお)
バッティングピッチャー。背番号111。左投げ。34歳。童子の隠蔽工作に加担する。
中継ぎ兼抑えとして各球団を転々。成績は今一つだが、豊富な経験と人望を買われ昨年より契約。最速135km/h。コントロールは一流。魔球「山田ボール(ナックルボール)」の使い手。
聡子・ルイス・万理小路(さとこ まりこうじ)
学者。29歳。運動心理学、スポーツ心理学の第一人者。南カリフォルニア大学に研究室を置く。社長から招聘され、童子の隠蔽工作に加担する。
社長
オーナー。敷田や沢田に裏金を渡し、童子の隠蔽工作に加担させる。

他球団の主な人物[編集]

セ・リーグ[編集]

李強優(リー カンウー)
名古屋シャチホコズの抑え投手。背番号33。右投げ。
アジア最強のストッパー。常に150km/h台(最速160km/h)のストレート、球界一の切れ味をわ持つフォークが武器。制球も良く、スライダーも投じる。オールスターにも出場。
ボールドウィン
名古屋シャチホコズの4番を務める打撃の良い新外国人。背番号99。右投げ右打ち。一塁手。
試合中にロッカールームでバーボンを飲み、ベンチで寝る等態度は悪い。開幕戦でフェニックス相手に2本のホームランを打った。オールスターにも出場。
中野(なかの)
名古屋シャチホコズの捕手。右投げ右打ち。高校時代はホームベースのの要塞と呼ばれていた。オールスターに出場。
安藤(あんどう)
シャチホコズの監督。
浜野正平(はまの しょうへい)
広島エンジェルスのベテラン投手。背番号15。右投げ。41歳。
22年目の大ベテランで、通算199勝。元々は豪速球投手だったが、肩を壊し変化球投手へモデルチェンジした。変化球は一級品で、90キロ台の超スローカーブ、フォーク、シュート、スライダーなどを投じる。
兵家良彦(へいけ よしひこ)
広島エンジェルスの若きホープ。背番号8。左投げ左打ち。オールスターに3番打者として出場。
フラッシュ早川(フラッシュ はやかわ)
大坂ジャガーズのエース投手で、早川勝次の兄。背番号00。左投げ左打ち。4年前、ジャガーズからニューヨークファンキーズに移籍。
日本球界最強の投手で、新人王をはじめ、オールスター出場、ノーヒットノーラン等大活躍。高校時代はエースで4番。8球団から1位指名を受けた。膝を顔面近くまで引き上げ、さらに顔の上までダイナミックに突き上げるフォームが最大の長所。ストレートはスピンが効き、手元でホップする。
竹内(たけうち)
大坂ジャガーズの4番打者。背番号26。右投げ左打ち。一塁手。オールスターにも出場。
西条(さいじょう)
大坂ジャガーズの捕手。背番号7。右投げ右打ち。8番打者。フラッシュにかたっぱしからサインを無視される。
ピスタチオ
大坂ジャガーズの外野手。背番号48。左打ち。常にサングラスをかけている。オールスターに出場。
榊(さかき)
横浜マリナーズの抑え投手。背番号22。右投げ。ハマの守護神と呼ばれるセーブ王。
宇津井(うつい)
横浜マリナーズの遊撃手。背番号8。右投げ右打ち。オールスターに出場。
光田(こうだ)
スパローズのベテラン。背番号31。左投げ。外野手。オールスター出場13回。

パ・リーグ[編集]

北大路(きたおおじ)
アストロズの監督。現役通算320勝の大投手。78歳で球界最年長。
猿橋(さるはし)
アストロズのブルペンキャッチャー。山田とは元チームメイト。
杉崎(すぎざき)
アストロズの新人投手。背番号11。右投げ。去年の夏の甲子園優勝投手。ルーキーとして異例の開幕一軍投手、オールスターにも出場。最速163km/hのストレートを投じる。
佐藤小次郎(さとう こじろう)
神戸オリオンズの右翼手。背番号31。左打ち。5年連続首位打者で、オールスターに出場。
高田(たかだ)
千葉パイレーツの投手。背番号18。左投げ。左打者の顔面に食い込む殺人シュートと長身からどろんと落ちてくる独特のカーブが武器。前年度MVP投手で、オールスターに出場。
井森(いもり)
千葉パイレーツの捕手。背番号36。右投げ。オールスターに出場し、高田とバッテリーを組む。
池亀(いけがめ)
バファローズの投手。背番号14。左投げ。多彩な変化球と緩急が武器。プロ入り13年目で初のオールスター出場。
エデル・ヘルナンデス
福岡ファルコンズの投手。背番号96。右投げ。ドミニカ出身で、2メートル10センチメートルの長身から放たれるストレートが武器。オールスターに出場。

その他の人物[編集]

木谷(きたに)
種田を追う後楽署の刑事部長。過去に母親に捨てられた幼き恒夫を保護した。
童子秀子(どうじ ひでこ)
童子秀巳の母。
明美(あけみ)
秀子の友人で、スナック「プードル」のママ。
高杉(たかすぎ)
フェニックスOB。夫妻で童子と親交がある。
看守長
オーナーから賄賂を貰い、種田の脱獄を実施。童子の隠蔽工作に加担する。

書誌情報[編集]

  • 青山広美『ダイヤモンド』小学館〈ビッグコミックス〉、全8巻
    1. 「今日からここがお前の監獄だ」1998年8月29日発売[1]ISBN 4-09-185141-X
    2. 「野球ってええな」1998年11月30日発売[2]ISBN 4-09-185142-8
    3. 「パパ、がんばって!!」1999年3月30日発売[3]ISBN 4-09-185143-6
    4. 「それでこそメジャーや!」1999年5月29日発売[4]ISBN 4-09-185144-4
    5. 「まさか、自首する気か!?」1999年7月30日発売[5]ISBN 4-09-185145-2
    6. 「大いなる運命の話」1999年9月30日発売[6]ISBN 4-09-185146-0
    7. 「4番・童子は、完全に死んだ」1999年12月18日発売[7]ISBN 4-09-185147-9
    8. 「アイ・デ・トード〜人生いろいろあるさ〜」2000年2月29日発売[8]ISBN 4-09-185148-7

脚注[編集]

  1. ^ ダイヤモンド 1”. 小学館コミック. 小学館. 2021年12月5日閲覧。
  2. ^ ダイヤモンド 2”. 小学館コミック. 小学館. 2021年12月5日閲覧。
  3. ^ ダイヤモンド 3”. 小学館コミック. 小学館. 2021年12月5日閲覧。
  4. ^ ダイヤモンド 4”. 小学館コミック. 小学館. 2021年12月5日閲覧。
  5. ^ ダイヤモンド 5”. 小学館コミック. 小学館. 2021年12月5日閲覧。
  6. ^ ダイヤモンド 6”. 小学館コミック. 小学館. 2021年12月5日閲覧。
  7. ^ ダイヤモンド 7”. 小学館コミック. 小学館. 2021年12月5日閲覧。
  8. ^ ダイヤモンド 8”. 小学館コミック. 小学館. 2021年12月5日閲覧。