センタ

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心押し台

センタ(center)とは旋盤円筒研削盤の心押し台に取り付け、円筒ワークの中心に空けたセンタ穴に差し込みワークを支える工具の一種である。

概要[編集]

先端は通常60度の円錐となっており回転するワークの先端を支える。シャンク部はモールステーパとなっており心押し台とはテーパ結合する。

使用[編集]

旋盤[編集]

ワークの直径に比してチャックからの突き出し量が長く、切削抵抗や自重によるたわみが問題となる場合に使用する。

円筒研削盤[編集]

ワークの両端をセンタで支え、主軸上のドライブプレートからケレを介して回転を与える。

また、センタを使用しない円筒研削を心なし研削という。

種類[編集]

レースセンタ(dead center、lathe center、止まりセンタ)
円錐先端とシャンク部分が一体で剛性が高く精度に優れている。先端には超硬合金が埋め込まれるがワークとの滑り摩擦があるため高速回転には向かない。
回転センタ(live center)
シャンクに対し円錐先端部分が転がり軸受を介して取り付けられ、高速・高荷重に耐えられるがレースセンタに対し剛性は劣る。
ドライブセンタ(drive center、端面ドライバ)
ワークの両端をセンタで支える場合に主軸側に取り付け、ワークを回転させる。固定センタに加えてワークの端面に食い込む爪を有し、その爪によって回転力を伝える。爪はばねによってワーク端面に押し付けられるため、ケレと違ってワークの脱着が容易である。

関連する工具[編集]

ケレ
ワークの軸端付近に取り付け、主軸上のドライブプレートの回転をワークに伝える。「∝」(数学の比例記号)のような形状でその閉じた部分にワークを差し込み外側からねじで固定し、二股の部分でドライブプレート上のピンをはさむ。
センタドリル
センタ穴を開けるためのドリル。円錐穴と中心の逃げ穴をあける刃が一体となっている。

関連項目[編集]

参考文献[編集]