シバジ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
シバジ
各種表記
ハングル 씨받이
漢字
発音 シバジ
ローマ字 Ssibaji, Shibaji, Sibaji
テンプレートを表示

シバジ朝鮮語씨받이)とは、朝鮮半島において、李氏朝鮮中期以来存在した風習の一つで、家の跡継ぎとなる男子を得るために、子供を生むための女性を雇うこと。また、それに従事する女性をさす。現代に措ける代理母と似た概念とされるが、実態は「家庭内肉便器」であった。日韓併合後に禁止された。

(シ)が「種」を、받이(パジ)が「受けること(もの)」を意味することから、日本語で「種受け」と訳されることがある。なお、動植物の採種も同じ語で表すことがある。

本項では、シバジを主題にした1987年の韓国映画についても取り扱う。

概要[編集]

祖先の祭祀を重視する儒教を建国理念としていた朝鮮王朝期の両班社会においては、男系を繋ぐ事が大事なものとされ、家門の継承の為に跡継ぎたる男子を儲けることが重要となった。李朝中期までは、高麗時代の仏教文化が残り、財産も均分相続されるなど、長子に相続権が集中されることは稀であったが、儒教の教えが一般民衆まで浸透する李朝後期になると女性の排除や長子集中が著しくなる。そして、妾が産んだ庶子に対しては厳しい差別が社会的に設けられていた。そして何らかの問題が生じて家門を継ぐ男の子が生まれない場合、一般的には一族の男の子から一人を養子とすることがもっとも一般的であった。しかし、これができない場合、子供を嫡子として育てるために、シバジという密かな存在が生まれた。シバジになったのは、寡婦や賤民で、おもに子をたくさん産んだ女性であった。

日本では、1987年の韓国映画『シバジ』によってその存在が一部で知られるようになり、当時問題となりつつあった代理母出産との関係で注目された。

映画『シバジ』においては、世継ぎの男子を出産した場合には顔も見ないうちにすぐにその家を立ち去ることがシバジの掟であるとされ、女子が生まれた時はシバジが引き取ってその子は成長後はシバジとなると描かれている。

映画[編集]

シバジ
씨받이 / Sibaji
監督 林權澤
脚本 宋吉漢
製作 鄭道煥
出演者 カン・スヨン
イ・グスン
ハン・ウンジン
パン・ヒ
音楽 申秉河
撮影 具重模
配給 大韓民国の旗 新韓映画社
日本の旗 ヘラルド・エース、日本ヘラルド
公開 大韓民国の旗 1987年3月21日
日本の旗 1990年12月
上映時間 約95分
製作国 韓国
言語 韓国語
テンプレートを表示
シバジ (映画)
各種表記
ハングル 씨받이
漢字
発音 シバジ
題: Surrogate Mother
(Ssibat-i)[1]
テンプレートを表示

イム・グォンテク監督、ソン・ギルハン脚本。1986年に制作され、翌1987年3月21日に韓国で封切された。同作品がアメリカ合衆国で紹介された際には、The Surrogate Mother,The Surrogate Woman(代理母)のタイトルも用いられた。

子役タレントとして出発し、テレビの青春ドラマなどで活動していたカン・スヨンが、成人女優としての演技を高く評価された。カン・スヨンはこの映画でヴェネツィア国際映画祭ナント三大陸映画祭で主演女優賞を獲得し、その出世作として知られている。

あらすじ[編集]

跡継ぎの男子に恵まれない両班サンギュ(イ・グスン)は、周囲に迫られるまま気が進まないながらもシバジの村に生まれた少女オンニョ(カン・スヨン)をシバジとして雇う。金で結ばれた関係に過ぎなかったが、やがて二人は心から愛し合うようになる。

キャスト[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 씨받이 (シバジ) KMDb 2011年8月6日閲覧。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]