サリチル酸オクチル

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サリチル酸オクチル
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識別情報
CAS登録番号 118-60-5
PubChem 8364
ChemSpider 8061
特性
化学式 C15H22O3
モル質量 250.33 g mol−1
密度 1.014 g/cm3
融点

25 °C

沸点

189 °C

危険性
NFPA 704
1
1
0
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

サリチル酸オクチル(サリチルさんオクチル、octyl salicylate、通称)、サリチル酸 2-エチルヘキシル(2-ethylhexyl salicylate、IUPAC慣用名)、またはオクチサレート(octyslate、USP/INN)は、日焼け止め化粧品の成分として使用され、太陽からのUV-B波長領域紫外線を吸収する有機化合物である[1]サリチル酸2-エチルヘキサノールの縮合によって形成されるエステルである。わずかに花の香りがする無色の油性液体である。

分子のサリチル酸部分は紫外線を吸収し、日光への暴露の有害な影響から皮膚を保護する。 2-エチルヘキサノール部分は脂肪族アルコールであり、皮膚軟化剤と油のような(耐水性)特性を追加する。

安全性[編集]

オクチサレートおよび他のすべてのサリチル酸エステルは、安全性上良好な性質を持っている[2]。他の日焼け止め成分(オキシベンゾン英語版アボベンゾン英語版など)の親和性を改善し、光分解を減らすためによく使用される。オクチサレートの適用用量の1%未満が皮膚に浸透する。オクチサレートは弱いUVB吸収剤だが、他の日焼け止め有効成分よりも優れた安定性を持ち[3]、日光にさらされても活性酸素種を生成しない。ただし、若干の感作性があり、一部の人には最小または軽度の皮膚刺激がある[4]

脚注[編集]

  1. ^ Skin cancer foundation: Understanding UVA and UVB
  2. ^ Rai, Reena; Srinivas, CR (2007). “Photoprotection”. Indian Journal of Dermatology, Venereology and Leprology 73 (2): 73–79. doi:10.4103/0378-6323.31889. PMID 17456910. http://www.bioline.org.br/abstract?dv07028. 
  3. ^ Ma, Haohua; Wang, Jianqiang; Zhang, Wenpei; Guo, Cheng (2021). “Synthesis of phenylalanine and leucine dipeptide functionalized silica-based nanoporous material as a safe UV filter for sunscreen”. Journal of Sol-Gel Science and Technology 97 (2): 466–478. doi:10.1007/s10971-020-05417-6. https://link.springer.com/article/10.1007/s10971-020-05417-6. 
  4. ^ Yap, Francis HX; Chua, Hock C.; Tait, Clare P. (10 March 2017). “Active sunscreen ingredients in Australia”. Australasian Journal of Dermatology 58 (4): e160–e170. doi:10.1111/ajd.12597. PMID 28295176. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/ajd.12597. 

参考資料[編集]