クリスチャン・メッツ

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クリスチャン・メッツ(-メスとも、Christian Metz1931年 ベジエ - 1993年 パリ)は、フランス映画理論家である。フェルディナン・ド・ソシュール記号学の諸理論映画への援用の先駆者として知られる。

来歴・人物[編集]

1931年、フランス・エロー県ベジエに生まれる。高等師範学校卒。

1964年、『映画 - 言語体系か言語活動か? Le cinéma, langue ou langage ?』という記事を高等師範学校国立科学研究センターの記号論雑誌『コミュニカション Communications』に発表した。1970年代、メッツの仕事はフランス、イギリスアメリカ合衆国の映画理論に大きなインパクトをもった。その25年にわたる試論が、『Essais sur la signification au cinéma』(1968年 - 1973年)、『Langage et Cinéma』(1971年)、『Les Essais sémiotiques』(1977年)、『Le Signifiant imaginaire』(1977年)として出版された。

著書『Film Language: A Semiotics of Cinema』において、説話論的構造にフォーカスし、映画作品における諸シーンのカテゴライズのためのシステム(連辞として知られる)として「大連辞 Grand Syntagmatique」を提唱した。

メッツはジークムント・フロイト精神分析学ジャック・ラカン鏡像理論との両方を映画に援用し、ひとつの芸術形式として映画が大衆的である理由を提唱した。その根拠は、不完全な現実の反映であることと、無意識的な夢の状態を調べる方法としての能力にあるとした。

ジャン・ミトリは著書『La Sémiologie en question』(1987年)においてメッツの仕事を批評し、ジャン=フランソワ・タルノフスキは、『ポジティフ』誌上で悪意をもって批評した。

1993年、パリで死去。62歳没。

おもな著書[編集]

『映画記号学の諸問題』、浅沼圭司訳、書肆風の薔薇、1987年
『映画における意味作用に関する試論―映画記号学の基本問題』、浅沼圭司訳、水声社、2005年 ISBN 4891764848
  • The Imaginary Signifier: Psychoanalysis and the Cinema 1977年 ISBN 0253203805
『映画と精神分析―想像的シニフィアン』、鹿島茂訳、白水叢書:白水社、1981年/新装版2008年

関連事項[編集]