ウルカ過程

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ウルカ過程(Urca process)は、中性子星白色矮星の冷却に関わっていると考えられているニュートリノ放出反応である。この過程は、ジョージ・ガモフマリオ・シェーンバーグの間で、彼らがリオデジャネイロCassino da Urcaという名前のカジノを訪れている時に最初に議論された。シェーンバーグはガモフに対し「エネルギーは超新星の核から、ルーレットテーブルでのお金と同じくらいの速さで消失する」と語ったと伝えられている。ガモフの南ロシア方言では、Urcaには、強盗ややくざという意味もある[1][2]

直接ウルカ過程は、最も単純なニュートリノ放出過程であり、中性子星の冷却の中心を占めていると考えられている。一般式は次のとおりである。

  • B1  →B2+l+vl
  • B2+l →B1+vl

ここで、B1とB2バリオン、lはレプトン、vは(反)ニュートリノである。バリオンは核子、Λ、Σ、Ξのようなハイペロン、またはデルタ粒子同重体になり得る。レプトンは電子ミューオンである。

ウルカ過程は白色矮星の冷却に特に重要である。ここでは、レプトン(通常は電子)がイオンの核に吸収され、対流で恒星の核から運ばれる。その後、ベータ崩壊が起こり、さらに対流で恒星内部に運ばれ、このサイクルが何度も繰り返される。この過程で放出されたニュートリノは再吸収されないと考えられるため、白色矮星にとって効率的な冷却機構となる[3]

この過程は、中性子星の冷却にとっても不可欠である。中性子星の核でウルカ過程が生じると、冷却に要する期間は何桁も小さくなる[4]

出典[編集]

  1. ^ D. Darling. “Urca process”. The Internet Encyclopedia of Science. 2010年3月2日閲覧。
  2. ^ D.K. Nadyozhin (1995). “Gamow and the physics and evolution of stars”. Space Science Reviews 74 (3–4): 455–461. Bibcode 1995SSRv...74..455N. doi:10.1007/BF00751432. 
  3. ^ M. Brueggen, A. Kercek (2000年1月10日). “The convective URCA process in white dwarfs”. Max Planck Institute. 2010年2月5日閲覧。
  4. ^ P. Haensel (1995). “Urca processes in dense matter and neutron star cooling”. Space Science Reviews 74 (3–4): 427–436. Bibcode 1995SSRv...74..427H. doi:10.1007/BF00751429.