アンドリュー・ジャクソン・デイヴィス

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アンドリュー・ジャクソン・デービス。1847年の写真

アンドリュー・ジャクソン・デービス(Andrew Jackson Davis, 1826年8月11日 - 1910年)は米国の霊覚者。

思想的にスピリチュアリズムを先取りした哲学書を出版して後のスピリチュアリズムに多大な影響を与え、「スピリチュアリズムのヨハネ」と言われた。(下記#スピリチュアリズムの勃興を予告した人物を参照)。奴隷制度廃止運動家、女性開放運動家、禁酒運動家でもあり、スピリチュアリズムの思想によって社会に影響を与えた最初の人と言える。(参照

ニューヨーク州オレンジ郡ブルーミングローブ生まれ。家が貧しく、教育はほとんど受けていない。成長すると、靴屋の徒弟となった。生まれつき霊視能力があったらしく、母が死去したときに輝くような野原に美しい家のビジョンを見て、母が行ったところだと思ったという。

1843年、17歳で近くの町の講演会に出かけて催眠術にかけられ、催眠状態で透視能力や読心能力を発揮できることに気づく。さらに実験を続けるうち、特殊な能力が発達した。

この能力を生かすべく最初は病気の治療を始め、「ポキプシーの千里眼」として評判になった。しかし、催眠状態に入ると演説することが多くなり、入神講演と出版がライフワークであることを認識して治療院を閉鎖した。

1846年、20歳で入神講演の内容をまとめ、第一部「大自然の摂理」、第二部「大自然の啓示」、第三部「人類に告ぐ」の三部作として出版した。(原文:The principles of nature, her divine relations, and a voice to mankind)これは大反響を呼び、当時の米国の知識階級に大きな影響を与えたといわれる。

「大自然の摂理」では個人的な意識の死後存続、霊こそが実在であること、霊や霊界の描写、イエスは神ではなく規範とすべき人間であったことなどが述べられ、現在のスピリチュアリズムとたいへんよく似ている。 「大自然の啓示」では宇宙、太陽系の歴史や人類にいたる生命の進化について書かれている。この中で海王星と冥王星が発見される前にその存在を指摘したことは話題になった。 「人類に告ぐ」では理想的な経済・社会基盤について述べている。

後にスピリチュアリストたちの活動が盛んになってくると喜んで支持し、自らを「スピリチュアリスト」とした。 しかし、哲学的思想をなおざりにして物理的現象にばかり夢中になる傾向がスピリチュアリズムに出てくるとこれを嫌い、1880年には自分の哲学は「調和哲学」だと宣言して、スピリチュアリズムと袂を分かってしまった。 その後も精力的に出版を続け、1910年に死去。

スピリチュアリズムの勃興を予告した人物[編集]

A・J・デービスは1848年のハイズビルのフォックス家事件以降に起こったスピリチュアリズムの勃興を予告した人物としても知られている。この人物については、『スピリチュアリズムの真髄』(ジョン・レナード著(国書刊行会発行))に詳しい説明があるが、この本は現在絶版となっている。

彼の著作である第二部「大自然の啓示」には、後のハイズビル事件(フォックス家事件)を予言する記述が見られる。

関連項目[編集]

  • 霊界 (デイヴィスの「大自然の摂理」や「大自然の啓示」に関する記述あり)