アゼト

アゼト
識別情報
CAS登録番号	287-24-1
PubChem	20185374
ChemSpider	14804701
	SMILES C1=CN=C1;
	InChI InChI=1S/C3H3N/c1-2-4-3-1/h1-3H Key: LKSPYOVNNMPMIZ-UHFFFAOYSA-N; InChI=1/C3H3N/c1-2-4-3-1/h1-3H Key: LKSPYOVNNMPMIZ-UHFFFAOYAS;
特性
化学式	C3H3N
モル質量	53.06 g mol−1
	特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アゼト (Azete) は、不飽和四員環から構成される複素環式化合物である。3つの炭素原子と1つの窒素原子からなる。

無置換のアゼトは得られていないが、tert-ブチル基で保護した誘導体が得られている^[1]。この物質を用いた実験では、四員環は歪んだ四角形であることが示されている。また、コバルト錯体とすることで、電子が非局在化し四員環が正方形となることも分かっている^[2]。

計算化学的には、6H-1,3-オキサジン-6-オンに紫外線照射を行うことで二酸化炭素が脱離し、無置換のアゼトが得られる。だが、極低温下で反応を行った場合でもアセチレンとシアン化水素が得られたのみで、生成したとしてもすぐに分解していると考えられる^[3]。

脚注[編集]

^ Vogelbacher, Uwe‐Josef, Manfred Regitz, and Richard Mynott (1986). “Tri‐tert‐butylazete—The First Kinetically Stabilized Azacyclobutadiene”. Angewandte Chemie International Edition in English 25 (9): 842-843. doi:10.1002/anie.198608421.
^ Ledermann, Martin, et al. (1988). “First Structure Analysis and Photoelectron Spectroscopic Investigation of an Azete and an Azete‐Cobalt Complex”. Angewandte Chemie International Edition in English 27 (11): 1559-1562. doi:10.1002/anie.198815591.
^ Neumann, Frank, and Karl Jug. (1994). “SINDO1 Study of Photochemical Synthesis of Azacyclobutadiene from 1, 3-Oxazin-6-one”. The Journal of Organic Chemistry 59 (21): 6442-6447. doi:10.1021/jo00100a056.