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数学では、エキゾチック<math>\R^4</math>は、ユークリッド空間<math>\R^4</math>に[[同相]]であるが、[[微分同相]]ではない[[微分可能多様体]]です。最初の例は、1982 年に[[マイケル・フリードマン]]等により、位相的な4次元多様体に関するフリードマンの定理と、微分可能な4次元多様体に関する[[サイモン・ドナルドソン]]との対比を使用して発見されました。[[クリフォード・タウベス]]により、<math>\R^4</math>の非微分同相な微分可能構造の[[連続体]]が存在することが示されている。
数学では、エキゾチック<math>\R^4</math>は、ユークリッド空間<math>\R^4</math>に[[同相]]であるが、[[微分同相]]ではない[[微分可能多様体]]です。最初の例は、1982 年に[[マイケル・フリードマン]]等により、位相的な4次元多様体に関するフリードマンの定理と、微分可能な4次元多様体に関する[[サイモン・ドナルドソン]]との対比を使用して発見されました。<ref>Kirby (1989), p. 95</ref><ref>Freedman and Quinn (1990), p. 122</ref>
[[クリフォード・タウベス]]により、<math>\R^4</math>の非微分同相な微分可能構造の[[連続体]]が存在することが示されている。<ref>Taubes (1987), Theorem 1.1</ref>


上記の構築に先立って、球面上の非微分同形の滑らかな構造(エキゾチックな球体) が存在することが既に知られていたが、 4-球体 の特定のケースに対するそのような構造の存在の問題は未解決のままでした (2022 年現在も未解決のままです)。 4 以外の任意の正の整数nに対して、<math>\R^n</math>のエキゾチックな滑らかな構造は存在しません。言い換えると、n ≠ 4 の場合、任意の<math>\R^n</math>と同相な滑らかな多様体は、<math>\R^n</math>と微分同相である。
上記の構築に先立って、球面上の非微分同形の滑らかな構造(エキゾチックな球体) が存在することが既に知られていたが、 4-球体 の特定のケースに対するそのような構造の存在の問題は未解決のままでした (2022 年現在も未解決のままです)。 4 以外の任意の正の整数nに対して、<math>\R^n</math>のエキゾチックな滑らかな構造は存在しません。言い換えると、n ≠ 4 の場合、任意の<math>\R^n</math>と同相な滑らかな多様体は、<math>\R^n</math>と微分同相である。<ref>Stallings (1962), Corollary 5.2</ref>


== 小さなエキゾチック R<sup>4</sup> ==
== 小さなエキゾチック R<sup>4</sup> ==
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小さなエキゾチック<math>\R^4</math>は自明でない滑らかな 5次元のh-コボルディズム(この次元ではh-コボルディズムの定理が成り立たないというドナルドソンの証明によって存在する) から始めて、位相的ななh-コボルディズムの定理がこの次元で保持されるフリードマンの定理を使用することによって構築できます。
小さなエキゾチック<math>\R^4</math>は自明でない滑らかな 5次元のh-コボルディズム(この次元ではh-コボルディズムの定理が成り立たないというドナルドソンの証明によって存在する) から始めて、位相的ななh-コボルディズムの定理がこの次元で保持されるフリードマンの定理を使用することによって構築できます。


== 大きなエキゾチックR<sup>4</sup> ==
== 大きなエキゾチック R<sup>4</sup> ==
エキゾチック<math>\R^4</math>は標準的な<math>\R^4</math>の開部分集合として滑らかにに埋め込みできない場合、大きいと呼ばれます。
エキゾチック<math>\R^4</math>は標準的な<math>\R^4</math>の開部分集合として滑らかにに埋め込みできない場合、大きいと呼ばれます。


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Michael Hartley Freedman と Laurence R. Taylor (1986) は、最大のエキゾチック<math>\R^4</math>があることを示しました。他のすべての<math>\R^4</math>はその中に開部分集合として滑らかに埋め込むことができます。
Michael Hartley Freedman と Laurence R. Taylor (1986) は、最大のエキゾチック<math>\R^4</math>があることを示しました。他のすべての<math>\R^4</math>はその中に開部分集合として滑らかに埋め込むことができます。

== 引用文献 ==
<references />

== 文献一覧 ==
*{{cite book | last1 = Freedman | first1 = Michael H. | authorlink1 = Michael Freedman | last2 = Quinn | first2 = Frank | authorlink2 = Frank Quinn (mathematician) | title = Topology of 4-manifolds | series = Princeton Mathematical Series | volume = 39 | publisher = Princeton University Press | location = Princeton, NJ | year = 1990 | isbn = 0-691-08577-3 | url-access = registration | url = https://archive.org/details/topologyof4manif0000free }}
*{{cite journal| last1 = Freedman | first1 = Michael H. | author-link = Michael Freedman | last2 = Taylor | first2 = Laurence R. | title = A universal smoothing of four-space | url = https://projecteuclid.org/euclid.jdg/1214440258 | mr = 857376 | year = 1986 | journal = Journal of Differential Geometry | issn = 0022-040X | volume = 24 | issue = 1 | pages = 69–78 | doi = 10.4310/jdg/1214440258 | doi-access = free }}
*{{cite book| last = Kirby | first = Robion C. | author-link = Robion Kirby | title = The topology of 4-manifolds | series = Lecture Notes in Mathematics | volume = 1374 | publisher = Springer-Verlag | location = Berlin | year = 1989 | isbn = 3-540-51148-2 }}
*{{cite journal| last = Stallings | first = John | author-link = John R. Stallings | title = The piecewise-linear structure of Euclidean space | url = http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&aid=2053736&fulltextType=RA&fileId=S0305004100036756 | journal = Proc. Cambridge Philos. Soc. | volume = 58 | issue = 3 | year = 1962 | pages = 481–488 | doi=10.1017/s0305004100036756| bibcode = 1962PCPS...58..481S }} {{MathSciNet|id=0149457}}
* {{cite journal| last = Taubes | first = Clifford Henry | author-link = Clifford Henry Taubes | title = Gauge theory on asymptotically periodic 4-manifolds | url = http://projecteuclid.org/euclid.jdg/1214440981 | journal = Journal of Differential Geometry | volume = 25 | year = 1987 | issue = 3 | pages = 363–430 | doi = 10.4310/jdg/1214440981 | mr = 882829 | id = {{Euclid|1214440981}}| doi-access = free }}

2022年9月16日 (金) 06:33時点における版

数学では、エキゾチックは、ユークリッド空間同相であるが、微分同相ではない微分可能多様体です。最初の例は、1982 年にマイケル・フリードマン等により、位相的な4次元多様体に関するフリードマンの定理と、微分可能な4次元多様体に関するサイモン・ドナルドソンとの対比を使用して発見されました。[1][2] クリフォード・タウベスにより、の非微分同相な微分可能構造の連続体が存在することが示されている。[3]

上記の構築に先立って、球面上の非微分同形の滑らかな構造(エキゾチックな球体) が存在することが既に知られていたが、 4-球体 の特定のケースに対するそのような構造の存在の問題は未解決のままでした (2022 年現在も未解決のままです)。 4 以外の任意の正の整数nに対して、のエキゾチックな滑らかな構造は存在しません。言い換えると、n ≠ 4 の場合、任意のと同相な滑らかな多様体は、と微分同相である。[4]

小さなエキゾチック R4

エキゾチックは標準的なの開部分集合として滑らかにに埋め込みできる場合、小さいと呼ばれます。

小さなエキゾチックは自明でない滑らかな 5次元のh-コボルディズム(この次元ではh-コボルディズムの定理が成り立たないというドナルドソンの証明によって存在する) から始めて、位相的ななh-コボルディズムの定理がこの次元で保持されるフリードマンの定理を使用することによって構築できます。

大きなエキゾチック R4

エキゾチックは標準的なの開部分集合として滑らかにに埋め込みできない場合、大きいと呼ばれます。

大きなエキゾチックの例は、コンパクトな 4 次元多様体がしばしばトポロジカル和として分割できる (フリードマンの研究による) が、滑らかな和として分割できない (ドナルドソンの研究による) という事実を使用して構築できます。

Michael Hartley Freedman と Laurence R. Taylor (1986) は、最大のエキゾチックがあることを示しました。他のすべてのはその中に開部分集合として滑らかに埋め込むことができます。

引用文献

  1. ^ Kirby (1989), p. 95
  2. ^ Freedman and Quinn (1990), p. 122
  3. ^ Taubes (1987), Theorem 1.1
  4. ^ Stallings (1962), Corollary 5.2

文献一覧