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活性代謝物(Active metabolite)は、薬物が体内で処理された後の、生理活性を有する分子である。

薬物代謝

活性代謝物とは、薬物が体内で代謝されて形を変え、それでも体内で作用し続けるものである。通常、これらの作用は親薬物の作用と似ているが、より弱いものである。しかしそれでも重大な作用を及ぼす場合がある(例:11-ヒドロキシ-THCモルヒネ-6-グルクロニド)。コデイントラマドールなどの一部の薬物は、親薬物よりも強い活性(それぞれモルヒネとO-デスメチルトラマドール)を持ち[1][2][3]、このような場合、代謝物が親薬物の治療作用の多くを担っている可能性がある。しかし、時には代謝物が毒性を示す事があり、体内に蓄積されない様に患者を注意深く観察する必要がある。これは、ペチジンデキストロプロポキシフェン英語版等の有名な薬剤で問題となる[3][4]

プロドラッグ

医薬品は、体内で分解されて活性のある形になる様に、不活性の形で処方される事がある。これをプロドラッグと呼ぶ。このような製剤化を行う理由としては、プロドラッグの方が製造時や保存時に安定している事や、プロドラッグの方が体内への吸収が良い、あるいは薬物動態が優れている事などが考えられる(リスデキサンフェタミン等)[5]

参考資料

  1. ^ “On the assessment of drug metabolism by assays of codeine and its main metabolites”. Therapeutic Drug Monitoring 22 (3): 258–65. (June 2000). doi:10.1097/00007691-200006000-00005. PMID 10850391. 
  2. ^ Raffa RB (July 1996). “A novel approach to the pharmacology of analgesics”. The American Journal of Medicine 101 (1A): 40S–46S. doi:10.1016/s0002-9343(96)00137-4. PMID 8764759. 
  3. ^ a b “Substrates, inducers, inhibitors and structure-activity relationships of human Cytochrome P450 2C9 and implications in drug development”. Current Medicinal Chemistry 16 (27): 3480–675. (2009). doi:10.2174/092986709789057635. PMID 19515014. 
  4. ^ “Role of active metabolites in the use of opioids”. European Journal of Clinical Pharmacology 65 (2): 121–39. (February 2009). doi:10.1007/s00228-008-0570-y. PMID 18958460. 
  5. ^ Müller CE (November 2009). “Prodrug approaches for enhancing the bioavailability of drugs with low solubility”. Chemistry & Biodiversity 6 (11): 2071–83. doi:10.1002/cbdv.200900114. PMID 19937841. 

関連文献