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'''種子銀行'''(しゅしぎんこう、種子バンク、シードバンク、[[英語|英]]:Seedbank)とは、[[植物]]の[[種子]]が失われてしまった場合に備えて種子を保存する施設または組織の事。遺伝子資源の保存という観点から見れば、[[ジーンバンク]]の一種であるともいえる。
'''種子銀行'''(しゅしぎんこう、種子バンク、シードバンク、[[英語|英]]:Seed bank)とは、[[遺伝的多様性]]の維持のために[[植物]]
の[[種子]]を保存する施設または組織の事。遺伝子資源の保存という観点から、[[ジーンバンク]]の一種であるともいえる。


== 概要 ==
== 概要 ==
種子銀行では主に、希少種種子や農作物の種子が保存されている。これには様々な理由がるが例えば作物では商業的な[[農業]]に向かないという理由で、長年改良の続けられてきた多く作物が姿消してきていることが挙げられる。希少種の種子は、一般的に[[生物多様性]]を守るための[[生息域外保全]]のひとつとして保存されている。また、自然災害や[[病害虫]]、[[戦争]]などの不測の事態から種子を守ることが出来る。
目的は様々あ、農業利用されている植物収量増加や耐病性、乾燥耐性に関わる遺伝子確保すること、一般的に[[生物多様性]]を守るための[[生息域外保全]]のひとつとして保存されている。また、自然災害や[[病害虫]]、[[戦争]]などの不測の事態から種子を守ることが出来る。多くの種子銀行は数十年、あるいは数世紀に渡って公的支援によって活動しており、公的な研究活動のために利用可能である。


通常、種子は低温条件や乾燥状態などで保存される。[[オーソドックス種子]]([[w:Orthodox seed|Orthodox seed]])の場合はそれで長期間の保存が可能であるが、そのような条件下で死亡、あるいは[[発芽]]してしまうような[[難貯蔵性種子]]([[w:recalcitrant seed|recalcitrant seed]])などは保存できないという問題点がある。また、種子銀行に世界各地の植物の種子を多量に蓄積することは、[[バイオパイラシー]]([[w:Commercialization of traditional medicines|Biopiracy]]、生物資源の略奪)に当たる可能性があるとして非難される事もある。
通常、種子は低温条件や乾燥状態などで保存される。[[オーソドックス種子]]([[w:Orthodox seed|Orthodox seed]])の場合はそれで長期間の保存が可能であるが、そのような条件下で死亡、あるいは[[発芽]]してしまうような[[難貯蔵性種子]]([[w:recalcitrant seed|recalcitrant seed]])などは保存できないという問題点がある。また、種子銀行に世界各地の植物の種子を多量に蓄積することは、[[バイオパイラシー]]([[w:Commercialization of traditional medicines|Biopiracy]]、生物資源の略奪)に当たる可能性があるとして非難される事もある。


== 関連項目 ==
==施設・組織==
2006年現在、世界中の1300あまりの種子銀行に約600万系統が維持されている。<ref>{{Cite book|title = Gene Banking for Ex Situ Conservation of Plant Genetic Resources|url = http://link.springer.com/chapter/10.1007/978-81-322-2283-5_23|publisher = Springer India|date = 2015-01-01|isbn = 9788132222828|pages = 445–459|doi = 10.1007/978-81-322-2283-5_23|language = en|first = P. E.|last = Rajasekharan|editor-first = Bir|editor-last = Bahadur|editor-first2 = Manchikatla Venkat|editor-last2 = Rajam|editor-first3 = Leela|editor-last3 = Sahijram|editor-first4 = K. V.|editor-last4 = Krishnamurthy}}</ref>
*[[スヴァールバル世界種子貯蔵庫]] - [[ノルウェー]]にある種子銀行。
*[[スヴァールバル世界種子貯蔵庫]] - [[ノルウェー]]にある種子銀行。
*[[キューガーデン]] - [[ミレニアム・シード・バンク・プロジェクト]](MSBP)の中心となっている[[植物園]]。
*[[ミレニアム・シード・バンク・プロジェクト]](MSBP)
*Australian PlantBank
*[[植物栽培研究所]]
*The BBA (Beej Bachao Andolan — Save the Seeds movement)<ref>[http://beejbachaoandolan.org/about Save the Seeds Movement of the Uttarakhand Himalayas, India] {{webarchive |url=https://web.archive.org/web/20150630012924/http://beejbachaoandolan.org/about |date=June 30, 2015 }}</ref>
*National Center for Genetic Resources Preservation<ref>[http://www.ars-grin.gov/ncgrp/center.htm National Center for Genetic Resources Preservatio] {{webarchive |url=https://web.archive.org/web/20111112053700/http://www.ars-grin.gov/ncgrp/center.htm |date=November 12, 2011 }}</ref>
*Desert Legume Program (DELEP)<ref>http://cals.arizona.edu/desertlegumeprogram/</ref>

== 関連項目 ==
*[[キューガーデン]] - ミレニアム・シード・バンク・プロジェクトの中心となっている[[植物園]]。
*[[アグリエコロジー]]
*[[樹木園]]
*[[生物多様性]]
*[[自然保護運動]]
*[[ジーンバンク]]
*[[遺伝子プール]]
*[[遺伝資源]]
*[[エアルーム品種]]
*[[食料農業植物遺伝資源に関する国際条約]](IT PGRFA)
*[[ナレッジアーク]]
*[[オーソドックス種子]]
*[[種子]]
*[[種子会社]]
*[[種子図書館]]
*[[種子貯蔵]]
*[[シードスワップ]]
*[[土壌シードバンク]]
*[[難貯蔵性種子]]
*[[持続可能性]]

== 脚注 ==
<references />


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[[Category:生物多様性]]
[[Category:生物多様性]]
[[Category:植物学]]
[[Category:農学]]

2017年8月26日 (土) 18:46時点における版

種子銀行に保存されている種子

種子銀行(しゅしぎんこう、種子バンク、シードバンク、:Seed bank)とは、遺伝的多様性の維持のために植物種子を保存する施設または組織の事。遺伝子資源の保存という観点から、ジーンバンクの一種であるともいえる。

概要

その目的は様々あり、農業利用されている植物の収量増加や耐病性、乾燥耐性に関わる遺伝子を確保することや、一般的に生物多様性を守るための生息域外保全のひとつとして保存されている。また、自然災害や病害虫戦争などの不測の事態から種子を守ることが出来る。多くの種子銀行は数十年、あるいは数世紀に渡って公的支援によって活動しており、公的な研究活動のために利用可能である。

通常、種子は低温条件や乾燥状態などで保存される。オーソドックス種子Orthodox seed)の場合はそれで長期間の保存が可能であるが、そのような条件下で死亡、あるいは発芽してしまうような難貯蔵性種子recalcitrant seed)などは保存できないという問題点がある。また、種子銀行に世界各地の植物の種子を多量に蓄積することは、バイオパイラシーBiopiracy、生物資源の略奪)に当たる可能性があるとして非難される事もある。

施設・組織

2006年現在、世界中の1300あまりの種子銀行に約600万系統が維持されている。[1]

関連項目

脚注

  1. ^ Rajasekharan, P. E. (2015-01-01). Bahadur, Bir. ed (英語). Gene Banking for Ex Situ Conservation of Plant Genetic Resources. Springer India. pp. 445–459. doi:10.1007/978-81-322-2283-5_23. ISBN 9788132222828. http://link.springer.com/chapter/10.1007/978-81-322-2283-5_23 
  2. ^ Save the Seeds Movement of the Uttarakhand Himalayas, India Archived June 30, 2015, at the Wayback Machine.
  3. ^ National Center for Genetic Resources Preservatio Archived November 12, 2011, at the Wayback Machine.
  4. ^ http://cals.arizona.edu/desertlegumeprogram/