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陵戸(りょうこ)は、日本の律令制下の身分制度である良賤制における賤民(五色の賤)の一。
概要
諸陵寮の管理のもと、天皇や皇族の陵墓の守衛に使役された者[1]。養老律令により賤民の扱いとなり、一族が世襲によって陵墓の管理にあたるようになった[2]。賤民のなかでは良民に近く、戸を形成し、良民と同額の口分田を支給され[3]、課役を免除されていた[4]。当色婚であったため陵戸どうしの婚姻しか認められなかった[5]。
律令制は貴族の荘園支配の台頭とともに崩壊し有名無実化していったが、一部には特定の陵墓の維持管理に携わる者達が部落を作り、明治期まで維持されていたと見られる例がある[6]。
関連項目
参照
- ^ 養老職員令19諸陵司条・養老喪葬令1先皇陵条
- ^ 升井正元「陵戸制成立過程に関する一考察」(『史流』21(1980))
- ^ 養老田令3口分条・田令27官戸奴婢条
- ^ 養老賦役令19舎人史生条
- ^ 養老戸令35当色為婚条
- ^ 邪馬台国の会講演会録 -神武天皇陵の謎-