長母音

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長母音(ながぼいん、ちょうぼいん)とは母音の持続時間が長いものをいう。これと対照的に持続時間が短いものは短母音(みじかぼいん、たんぼいん)と呼ばれる。

概要

長短の違いで意味の弁別を行う言語があり、日本語はその代表的な例である。中にはエストニア語のように短・長・超長の三段階で意味を区別する言語もあるが、非常に珍しい。

アメリカ合衆国で用いられている英語では、アクセントがある緊張母音は長母音になるが、長さ自体は意味の弁別に機能しない。

英語においてlong vowel (長母音)というとフォニックス教育の影響から、実際の発音の長短よりもアルファベットのA, E, I, O, Uと同じ読み方の(文字名と同じ)母音を指すことが多い。baby の /eɪ/, meter の /iː/, tiny の /aɪ/, broken の /oʊ/, humor の /juː/などは、この意味での「長母音」である。したがって音声学的には記号[ː]で表される「長母音」であってもそう呼ばれない場合があり(短母音についても同様)、母音の長短について述べるときは混乱を招きやすい。

表記

国際音声記号では母音の後ろに記号[ː]をつけて長母音を表す。短母音は何も記号をつけないことで表される。このほか、[ˑ](半長)と[  ̆ ](超短)の記号が用意されている。