重なり形配座

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重なり形配座(右はニューマン投影式
ねじれ形配座

重なり形配座(かさなりがたはいざ、: Eclipsed conformation)は、隣接する原子A,B上の2つの置換基X,Yが空間的に最も近接し、X-A-B-Yのねじれ角が0度となる配座である[1]。このような配座は、2つのsp3混成原子が単結合で直鎖状に繋がる場合に生じ、通常は配座エネルギーが最大となる。この現象は、しばしば立体障害によって説明されるが、実際は超共役に起因するものもある。

ニューマン投影式エタンの例では、炭素-炭素結合の周りの回転は、完全に自由ではなく、エネルギー障壁が存在する。重なり形配座のエタン分子は、ねじれ歪みを受けており、ねじれ形配座に回転する際には、約12.5 kJ/molのエネルギーを放出する。

出典[編集]

  1. ^ Ernest L. Eliel and Samuel H. Wilen, "Stereochemistry of Organic Compounds", Wiley (1994), p.1197