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道次第

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道次第(ラムリム)とは修行道(ラム)の階梯(リム)の謂いで、チベット仏教の特徴をなす固有の修道論、あるいは一種の教相判釈の形式であり、「仏教として存在するあらゆる教説は、凡夫が仏果を得るまでの修行の階梯のうちに統合される」とする説、またその統合された修行の階梯そのもののことを言う。

具体的には、仏教の修行者をその習熟の度合いから下・中・上の三士に分け、それぞれの段階に相応する教えとして、人天乗(世間的な教え)・二乗(声聞・縁覚の教え)・大乗(菩薩の教え)が説かれたとするものであるが、なかでも菩薩の修行に関して詳述して、菩提心・六波羅蜜・止観双運などの意義を強調する点に特徴がある。その原型はアティシャ(ディーパンカラ・シュリージュニャーナ)の著した『菩提道燈論』に求められ、後にチベット仏教最大の学僧ツォンカパの『菩提道次第論』によって大成された。同論書はツォンカパの興したゲルク派の根本聖典となり、以後チベットの学僧の必須の学問として今日でも尊重されている。