跳躍伝導
跳躍伝導(ちょうやくでんどう、saltatory conduction)とは、有髄神経における興奮伝導の形式である。
概要
有髄神経では軸索を髄鞘が囲んでおり、一定間隔で髄鞘が存在せずに軸索が露出しているランヴィエの絞輪と呼ばれる部分がある。この絞輪部にNaチャネルが、髄鞘部に早いKチャネルが高密度に分布している。1個の絞輪が脱分極して興奮すると、電流は軸索を通って次の絞輪に流れ、そこで脱分極を起こす。この繰り返しによって興奮が伝導していく。その結果、脱分極はこの絞輪の部分で起こるため、興奮が絞輪から絞輪へと跳躍して伝導しているように見えることから跳躍伝導と呼ばれる。
利点
跳躍伝導が行われることで、神経の伝導速度が大幅に上昇する。直径15μmの有髄神経は約25m/sの伝導速度であるが、無髄神経では直径330μmでようやく同じ伝導速度を示すことができる。