石油ピーク
石油ピーク(せきゆピーク、英: peak oil)とは、石油の産出量が最大となる時期・時点のこと。この時期を過ぎると、石油の産出量は減少の一途をたどる。この概念はそれぞれの油井単独での実測値と、複数の油井から得られた複合値を元に計算される。一般に1つの油田における石油の総産出量は、石油ピークに至るまで指数関数的に増加、ピークに達した後は石油が枯渇するまで減少する(時に急激な減少も見られる)。この概念はハバート・カーブに由来し、上記のような油井・油田単位だけの指標ではなく、一国の石油総生産量や全世界の石油総生産量にも同様に適用することができるとされている。P.R.オデール(オランダ、エラスムス大学)の研究では2030年頃に在来石油が、2060年に石油生産量がピークに達すると報告されている。しばしば石油ピークと石油減耗が混同されることがあるが、それは間違いであり、石油ピークが産出量が最大になる時期を指す言葉であるのに対し、石油減耗は石油ピーク以降の産出量の緩やかな減退を指す。
この概念はM.K.ハバート(M. King Hubbert)が1956年3月8日に米国石油学会で発表した論文[1]上の予測モデルの中に現れていた。このモデルでは米国のLower 48(アラスカ・ハワイを除く48州)の石油生産量が1966年と1971年の間、頂点を達し、そしてそれ以降止むを得ず減少に転じるとされていた。1956年当時米国は世界一の石油生産国であり、その結論に対してほとんどの専門家や石油会社が極めて否定的であったが、ハバートの予測通り米国の石油生産量は1971年にピークを迎え、その年の生産量を二度と達成できなかった[2]。後にハバート・ピーク理論、ピーク・オイル論と呼ばれたこのモデルとそれに関連した多くの変化形モデルは、油井から油田、地域、国に至るまでの、石油生産におけるピークと減少を正確に表しており[3]、また他の多くの有限資源に関しても、役に立つ指標であると証明されている。ハバート・モデルによれば、有限資源の生産量は開発限界と市場圧力による左右対称のロジスティック分布曲線を示すとされている。(時々正規分布曲線と比較されることがあるが、それは間違いである)。
参考文献
- ^ Nuclear Energy and the Fossil Fuels,M.K. Hubbert, Presented before the Spring Meeting of the Southern District, American Petroleum Institute, Plaza Hotel, San Antonio, Texas, March 7-8-9, 1956[1]
- ^
Hubbert, Marion King (1956). Nuclear Energy and the Fossil Fuels 'Drilling and Production Practice' (PDF). Spring Meeting of the Southern District. Division of Production. American Petroleum Institute. San Antonio, Texas: Shell Development Company. pp. 22–27. 2008年4月18日閲覧。
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は無視されます。 (説明) - ^ Brandt, Adam R. (May 2007). “Testing Hubbert” (PDF). Energy Policy (Elsevier) 35 (5): 3074–3088. doi:10.1016/j.enpol.2006.11.004 .
関連項目
- ハバート石油ピーク論 Wikipedia英語版を参照。
- ピーク・オイル論(一派)Wikipedia英語版を参照。
外部リンク
- "JCA study" 詳しい研究論文だが絵が解りやすい。
- ASPO
- Oilcrash, 2006
- 日本と安い石油の終末, 2001, トニー・ボーイズ筆 (Tony Boys)
- Dr. K ピークオイル考
- Energy Bulletin
- The Oil Drum
- Graphoilogy